ウクライナ軍は、ロシア軍と交戦できなくなる可能性が出てきた(戦闘の最前線でイーロン・マスクのスターリンクが利用できない。)

かたせ2号 投稿日:2022/10/10 09:55

かたせ2号です。

最初に。

わたしはイーロン・マスクが大嫌いだ。イーロン・マスク率いるスペースX社が、スターリンクという衛星通信システムをウクライナに提供して、ウクライナのプロパガンダ情報を世界中に流す手助けをしたからだ。

ビジネス・インサイダーのサイトから。
記事名:ウクライナで証明された衛星インターネットの有効性…アメリカ空軍もスターリンクと契約
2022年8月18日。
https://www.businessinsider.jp/post-257742
(抜粋開始)
スペースX(SpaceX)の衛星インターネットサービス、スターリンク(Starlink)はロシアの侵攻が続く中でウクライナの人々にオンラインサービスを提供し続けて称賛されており、アメリカ空軍もヨーロッパとアフリカでの同サービスと協力する計画を進めている。
アメリカ空軍はこの契約の意図に関して「第一世代または高性能の衛星端末および固定あるいはモバイル/ポータブルのデバイスによってユーザーがインターネットに接続できるサービスの提供を受けること」だと書面で述べている。
書面には、ウクライナについても触れていて、スターリンクが現在、紛争の下で機能している唯一のネットワークでもあると述べている。
ウクライナのインターネットと通信ネットワークは、ロシアが侵攻を開始した2022年2月24日の数時間前に攻撃を受け、この戦争の期間中、ずっと標的になっている。ロシアが攻撃を開始した直後、スペースXのイーロン・マスク(Elon Musk)CEOは、ウクライナ当局からの要請を受けてウクライナでスターリンクのサービスを開始したと述べた。
それ以来、ウクライナの国民や軍の通信はスターリンクに頼っており、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は「非常に効果的」と称賛している。
(抜粋終わり)

かたせ2号です。
このことを、昨日(2022年10月9日)に、イーロン・マスク自身も認めるツイートを発信している。

すなわち、
「ひとつ言いたいのは、スターリンクはウクライナに有利な戦争を変えたということだ。」「ロシアはわざわざ我々の通信を全て破壊しに来た。今、彼らはできない。スターリンクはカチューシャや砲撃の下でも機能する。マリウポリでも使える」(ディマ氏、ウクライナ人兵士)という指摘に対し、
イーロン・マスクは、
【True, Starlink provided a decisive battlefield advantage.
(日本語訳) 確かに、スターリンクは(ウクライナに)決定的な戦場の優位性を提供しました。】
と回答している。(2022年10月9日)
https://twitter.com/elonmusk/status/1579096952981327875

しかし、ウクライナをめぐってのこれまでの状況が、ここ一週間で、大きくひっくり返った可能性が出てきた。
結論から言えば、イーロン・マスクが、第三次世界大戦(核戦争)の勃発を防ぐために、戦闘の最前線でウクライナ軍にスターリンクの使用をさせなくしている可能性が高い。

以下、時系列で記述する。

1.2022年10月4日。イーロン・マスクが、ウクライナ・ロシア和平を提案した。

イーロン・マスクツイート(2022年10月4日)
https://twitter.com/elonmusk/status/1576969255031296000
【Ukraine-Russia Peace:
– Redo elections of annexed regions under UN supervision. Russia leaves if that is will of the people.
– Crimea formally part of Russia, as it has been since 1783 (until Khrushchev’s mistake).
– Water supply to Crimea assured.
– Ukraine remains neutral.
(日本語訳)
ウクライナとロシアの和平
– 国連の監視下で、併合地域の選挙をやり直す。ロシアは、併合反対が民意であるならば、併合地域から離脱する。
– クリミアは1783年以来(フルシチョフの過ちまで)、正式にロシアの一部となる。
– クリミアへの水の供給は保証される。
– ウクライナは中立を保つ。】

2.イーロン・マスクの提案にウクライナ政府が反発した。

ニコニコニュース。
記事名:イーロン・マスク氏の和平計画案 ウクライナ当局から「クソくらえ」と非難
2022年10月8日
https://news.nicovideo.jp/watch/nw11534934
(引用開始)
■2国間の和平計画を提案
1億人のフォロワーを抱えるマスク氏が、このほどロシアとウクライナの紛争に関してツイッターで発言し、大きな話題となった。「ウクライナとロシアの平和」というタイトルとともに、2国間の和平計画を提案している。
「ロシアに併合されたウクライナ東・南部4州で、国連監視の下で住民投票をやり直し、現地の人々が望めばロシアは離脱すること」「クリミアは1783年以来、正式にロシアの一部であるとする」「クリミアへの水の供給は保証される」「ウクライナは中立を保つ」という4つの案を提示したのだ。
■ウクライナ外交官から「クソくらえ」
しかしながら、侵略された土地をすべて取り戻したいと考えているウクライナ当局は、この提案を好意的に受け取らなかったようだ。ドイツのウクライナ大使は、ツイッターのリプライ欄に「クソくらえ、というのがあなたへの外交的な返信です」と書き込み、マスク氏を激しく非難した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領や、他のヨーロッパの指導者たちもマスク氏を非難するツイートで反論しており、ネット上で対立する形となっている。
■核兵器の使用に懸念
一方で、ロシア政府関係者はマスク氏の提案を歓迎しているようで、ロシアの元大統領・首相のドミトリー・メドベージェフ氏はマスク氏のツイートに称賛の言葉を送った。
マスク氏は上記の投稿に続けて、「最終的にはこの提案に落ち着く可能性が高い。それまでにどれだけの人が亡くなるのだろうか」「また、この紛争のせいで核兵器が使用される可能性もある」と発言している。
(引用終わり)

3.イーロン・マスクツイート(2022年10月7日)
https://twitter.com/elonmusk/status/1578041621093949440
【I’m a big fan of Ukraine, but not of WW3
(日本語訳)私は、ウクライナには大賛成だが、第三次世界大戦には反対だ】

4.FT(フィナンシャル・タイムズ)記事 (2022年10月8日)
スターリンクが戦闘の最前線で使えなくなっている状況を報道。

記事名:ウクライナ軍、対ロシア戦でスターリンクの障害を報告
https://www.ft.com/content/9a7b922b-2435-4ac7-acdb-0ec9a6dc8397
2022年10月8日

(翻訳引用開始)
キエフ当局によると、兵士が領土を解放する際にSpaceXの一部のデバイスが機能しなくなったという。
ウクライナ軍は、前線でスターリンク通信機器の機能停止を報告し、ロシア軍からの領土解放の努力を妨げていると、同国当局者と兵士は述べている。
イーロン・マスクが経営するスペースX社製のスターリンク端末数千台は、同社が寄贈、米国政府が購入、または寄付者によるクラウドファンディングで調達され、ウクライナ軍が無人機を操作し、重要な情報更新を受け、他に安全なネットワークのない地域で互いに通信できるよう支援するものだ。小さなアンテナを高さ35cmの端末に接続するこのシステムは、ウクライナの一般市民にもインターネットを提供している。
この問題を直接知るウクライナ政府高官は、ここ数週間、いくつかの停電が「壊滅的な」通信の喪失につながったと述べている。この政府高官は、兵士が前線を突破してロシアの支配地域に入ったときに多く報告され、戦闘中に発生したものもあったと匿名を条件に語っている。
南部のケルソンやザポリジア周辺が最も多く、東部のハリコフ、ドネツク、ルハンスクの前線沿いでも発生したということだ。
この4地域はいずれもウクライナの激しい反攻の焦点となっており、クレムリンの代理人が行った住民投票の結果、先月プーチン大統領によってロシアの一部であると宣言された。
キエフの別の当局者によると、接続障害は広範囲に及び、兵士たちからヘルプラインへのパニック的な電話があったという。どちらのウクライナ当局者も、問題は兵士がロシアから領土を解放し、前線を越えて移動したときに発生したと述べている。
この混乱は、ウクライナの東部と南部での反撃がロシア軍を後退させる中、戦場でのイーロン・マスク氏の通信システムの役割が非常に大きいことを物語っている。米国に拠点を置くこの企業家は先週末(2022年10月4日)、ウクライナの領土をロシアに譲り渡すことになる停戦計画の概要を説明し、キエフを激怒させた。
ウクライナ軍にスターリンクシステムを寄贈している財団Serhiy Prytula Charityのコーディネーターであるローマン・シニシン氏は、スペースXがロシア軍による悪用を防ごうとしているために問題が発生しているのではないかと述べた。
停電は、解放が「まだ公表されていない」ほど最近取り戻した地域で発生している、と同氏は述べた。
「スターリンク社の代表が、ロシアの占領軍による技術の利用を防ぐために行っていることは、私には絶対に明らかだ」とシニシン氏は語った。ウクライナ軍とSpaceX社はもっと緊密に協力する必要がある、と彼は言った。
マスク氏とSpaceX社は、コメントを求めたが応じなかった。この記事が最初に掲載された後、マスク氏はTwitterで次のように述べた。「戦場で何が起こっているかについては、機密事項だ」。
彼は、ウクライナに提供されたスターリンク端末とサービスのうち、「ほんの一部」しか購入されていないと述べ、こう付け加えた。「この作戦はSpaceXに8000万ドルのコストをかけ、年末には1億ドルを超えるだろう 」と述べた。
ウクライナの国防大臣Oleksiy Reznikovはコメントを避けた。ウクライナ軍総司令官Valeriy Zaluzhnyi将軍の広報担当者はコメントを控えた。
前線で活動する3人の兵士が、戦闘中にスターリンクシステムが作動しなくなったことを確認した。この地域で戦う特殊部隊に所属する兵士の1人によれば、ウクライナ軍がルハンスク地方に向かって東に押し出したハリコフ近郊の解放されたばかりの地域では、ここ数日、いくつかの端末が機能しなかったという。
しかし、他の2人のウクライナ軍関係者は今週初め、イジュム東部の新たに解放された地域と南部ケルソン地域でスターリンクシステムが機能していると述べた。
西側の2人の当局者は、機能停止を認識していると述べたが、その場所を含め、それ以上のコメントを避けた。
マスク氏は、ロシアによるウクライナへの本格的な侵攻の初期に、彼のスターリンク衛星が同国で放送することを許可し、モスクワのインターネット遮断を回避する軍隊を支援することによって、キエフを後押しした。
しかし今週、彼はロシアとウクライナの国境を新たな住民投票で決めることを提案し、ウクライナ人とその同盟国の怒りを買った。また、2014年にモスクワが一方的に併合したクリミア半島を認めるとし、ウクライナ東部のロシア語を話す地域は「ロシアを好む」と考えていると述べた。
2021年、マスクはプーチンの内政責任者で、ロシアの併合地同化を担当するセルゲイ・キリエンコが主催する会議で、ビデオリンクを通じて講演した。マスク氏は2022年10月2日、昨年ロシア大統領と話をしたとツイートで記した。
クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は2022年10月2日、マスク氏のプーチン氏とのビデオ会談についてコメントを避け、スターリンクがロシアでアクセス可能であることは承知していない、と述べた。
(翻訳引用開始)

5.イーロン・マスクツイート(2022年10月8日)
(上記4のFT記事は、下記のツイート情報を反映し、記事内容修正済である)
【Bad reporting by FT. This article falsely claims that Starlink terminals & service were paid for, when only a small percentage have been.
This operation has cost SpaceX $80M & will exceed $100M by end of year.
As for what’s happening on the battlefield, that’s classified.
(日本語訳)FTの報道が悪い。この記事は、Starlinkの端末とサービスが有料であると偽っているが、有料であるのはごく一部である。
この作戦は、SpaceXに8000万ドルのコストをかけ、年末には1億ドルを超えるだろう。
戦場で何が起こっているかについては、機密事項である。

かたせ2号です。

残念ながら、上記のFT記事は情報が錯綜していていて、ウクライナ軍が最前線でスターリンクを今後も使用できないのか予測がつかない内容だ。

しかしながら、一方で、FT記事とのやりとりも含めたイーロン・マスクのツイートを時系列にまとめると、以下のようになる。

2022年10月4日  ウクライナ・ロシア和平案を提示(→ウクライナ政府は反発)
2022年10月7日  「私は、ウクライナには大賛成だが、第三次世界大戦には反対だ」
2022年10月8日  「戦場で何が起こっているかについては、機密事項である」

さらに、2022年10月9日以降のイーロン・マスクのツイートを以下の通り、追加する。

「毎日何人のウクライナ人がスターリンクを使っているのか、統計を取っていますか?」とういう質問についてイーロン・マスクは
【There are ~25k terminals in Ukraine, but each terminal can be used to provide an Internet uplink to a cell phone tower, so potentially several thousand people can be served by a single terminal.
(日本語訳)ウクライナには2万5千台の端末がありますが、各端末は携帯電話タワーへのインターネット上り回線として利用できるため、1台の端末で数千人にサービスを提供できる可能性があります。】
と回答している。(2022年10月9日)
https://twitter.com/elonmusk/status/1579116633947525122

これほどの最高機密を、ツイッターで1億人のフォロワーに開示しているイーロン・マスクが、なぜ、「戦場で何が起こっているか(ウクライナ軍が戦闘の最前線でのスターリンクを使えない理由)については、機密事項である」(2022年10月8日)と沈黙するのか?

イーロン・マスクは、また、以下のようにツイートしている。
「SpaceX、Tesla、Boring Company、NeuralinkのCEOだが、Twitterを買うだけでは十分ではなかったのだ。イーロン・マスクは今、戦争も解決する必要があると判断したのだ」という指摘に対して、
【I have no desire to become involved in wars, but it is safe to say that all bets are off if the nukes start flying
(日本語訳)戦争に巻き込まれる気はさらさらないが、核兵器が飛んでくれば万事休すである。】
https://twitter.com/elonmusk/status/1579258883977416705
(本日、2022年10月10日)

かたせ2号です。

以上で情報の提供を終える。
上記を踏まえ、私が出す結論は以下の通り。

・イーロン・マスクが、第三次世界大戦(核戦争)の勃発を防ぐために、戦闘の最前線でウクライナ軍にスターリンクの使用をさせなくしている可能性が高い。
・イーロン・マスクは、上記の決断を「機密事項」として公(おおやけ)にはしない。
・一方で、「機密事項」をフォロワー(および世界のマスコミ)に悟らせるために、ツイッターで「寸止め」の表現(第三次世界大戦(核戦争)を食い止めたい、とする強い意志)を連発している。

最後に、今後について。
ロイターを始め、西側の報道機関は、イーロン・マスクのこの動きを一切報道しない(できない)はずだ。
そもそも、上記のFT紙の報道による事実についても、イギリスのロイターが配信していないから、西側諸国の国民(日本人含む)には事実として「存在しない」。
なので、イーロン・マスクとスターリンクの状況については、自分で情報をとっていく他ない。

以上