「1879」番 コロナ問題の決着。遠藤誉(えんどうほまれ)女史の優れた評論文を紹介して、真実を抉(えぐ)り出す。副島隆彦記 2020.5.30 さらに6月10日に末尾に長い記事を載せた。
副島隆彦です。今日は、2020年5月30日(土)です。

 5月25日に、私は、重たい掲示板に、「コロナ緊急事態法の解除(終了)のこと」を書いた。そこに、次のように書いた。

 私は、これから、「 米中どちらに軍配?  WHO総会で習近平スピーチ、トランプ警告書簡 」という文を載せる。この文は、5月22日付けの、遠藤誉(えんどうほまれ)女史(80歳過ぎ。中国人知識人と同じ脳をした優れた日本人)の評論文である。以下のヤフー・ニューズの欄に彼女のコーナーがある。

https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200522-00179716/

 この表題文では、意味が分かりづらいので、私、副島隆彦が、分かるように加筆する。
「(コロナ問題で)米中(の)、どちらに軍配(があがったか)? WHO総会で習近平(がオンライン)スピーチをした。(ところが)トランプ(の方は、WHOに、逆に)警告(の)書簡(を出した)」という内容だ。これに、私、副島隆彦の論評を加えた文を、書いて載せる」 と。

 この遠藤誉(えんどうほまれ)女史の優れた文章を、丸々、ここに載せる。ここの学問道場の会員に、一度、読んで貰わないといけない。この文章は長い。かつ、職業としての言論人、学者の最新の文章を、丸々、執筆者に許可も取らないで、転載する、ということをしていいのか、という問題になる。遠藤女史よ、どうか許可してください。



遠藤 誉(えんどう・ほまれ) 1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。
「中国問題グローバル研究所」所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授、北京大学アジア・アフリカ研究所特約研究員、上海交通大学客員教授などを歴任。著書に『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版・韓国語版もあり)、『チャイナ・セブン〈紅い皇帝〉習近平』『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』(中文版・英文版もあり)、『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』、『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。

 私は、この彼女の素晴らしい文章に、私の論評(ろんぴょう。コメント。評価判断)を書く。彼女の文章は、理詰め(論理的。セオレティカル theoretical )で緻密(ちみつ)である。理科系の頭脳を持っている人の文であり、この日本文をそのまま、中国語の文にしても、英語に訳しても、十分に通用する内容だ。

 ところが、私たちが使っている日本文というのは、これは、実は、「幼稚な言語」であって、ヨーロッパ語(英語、フランス語、ドイツ語)から翻訳するときは、かなりの加筆をしないと、私たちは、自然に読み取れない。普通の日本人の言論人や学者の書く、日本語の文は、世界基準(world values ワールド・ヴァリューズ)から見たら、とてもお話にならない。日本土人の文章そのものなのである。

 このことは、今日は説明しない。中国文や英文の優れた文は、書けば1行で済むことを、日本文に翻訳すると、実はあれこれ解説を加筆で入れないと、日本人には、その直訳文(ちょくやくぶん)では、理解、読解できない。丁寧に、親切に翻訳すると、だいたい3倍になるから3行掛かる。このことは、日本語を馬鹿にするな、という問題ではない。

 日本人は、そのようにして、この2千年間、古典の中国文(漢文。これは西洋ではギリシャ語かラテン語の文に相当する)を、ひらがな や カタカナというのを編み出して、作って、それで、「この漢文はな、これこれ、こういう訳(わけ。やく。和解=わげ=)なのじゃ」と翻訳して、なんとか解読して来た。それが、ずっと文明の中心であった、古典漢文 すなわち漢籍(かんせき)を学ぶ、ということだった。
 漢文(中国文)を読めて書ける、ということが、この2千年間(紀元前後の漢帝国から、江戸時代まで。明治からは、西洋の方を向いた)の日本の、すべての生来、頭の良い人間、すなわち生まれながらの知識人層が、もの凄い努力をしてやってきたことだ。

 日本の、今の、反共バカ右翼たちが、何を力んでいるのか、分からないが、自分たちの低脳ぶりと、反共思想にイカれて、「日本は、法治の国。中国は人治(野蛮)の国」などと、愚か極まりないことを、アメリカに支配、洗脳されてからの、この75年間、言っている。日本は、中国の漢字文明の一部として、過去の1800年間を、生きて来たのだ。

 そして、私たち日本人は、今も、毎日、この「崩れ漢文である日本文」を、こうして書きながら、まさしく漢字文明の中で、生きている。この運命から、私たちは、逃れられない。どうして、こういう大きな真実を、自分たちの愚か極まりない、反共精神(反共宗教)だけで、逆転出来る、と
思い込むのか。 

 日本は、東アジアの島嶼国(とうしょこく、島国)だから、これまで、人類史上の、文明の中心(政治的には世界帝国である)であったことがない。東アジアのシビライゼイション(文明)の一部である、日本文化(ジャパニーズ・カルチャア)では、言語(ランゲッジ)の抽象化(アブストラクト)、意味の凝縮、ということが十分に出来ない。自分の言語(コトバ)での文にすると、3倍かかるのである。

 この問題を、私たちの日本語は、深刻に抱えている。このことを、まず、言っておきます。私、副島隆彦の 50年間の苦闘は、この日本語という言語の 抽象力、観念力の足りなさ、の問題を、どうしたらいいか、だった。

 日本人の評論文や、学者たちの論文を、そのまま、直訳で、英語に翻訳したら、とても読むに耐えない。それは私たち日本土人(にっぽんどじん)による、非論理的で、不合理な文章となる。私、副島隆彦は、苦しいほど、このことがよく分かる頭脳をしている。この悲劇を自分の運命として、抱えて生きて来た。

 私は、自分の生まれた時からの運命として、この日本土人の文化に、どっぷり浸(つ)かって、書いて、何とか、世界基準の知識、思想、学問に到達したい、と思って頑張ってきた。この私の苦心と苦悩を分かってくれる人は少ない。私は、いつもは「身をやつして」書いている。もうこれ以上は、この問題は、今日は書かない。

 遠藤誉女史のこの、世界基準(ワールド・ヴァリューズ)で通用する、優れた文章をまず、読んでください。私は、そのあと、自分の評価、判断を書き加える。このことは、著作権法(これはそのまま国際条約を日本で批准して出来た法律である)が定める引用権(第○○条)に依拠した行為だ。そのように、いつものことだが、書いておきます。

だから、私が、まず冒頭で、彼女の文を、まず全文、載せる。日本人のちょっと頭の良い、読書人階級の、優れた文章読みの知能と習慣のある人でも、彼女の文章は、ちょっと難解で、解読が困難だ。このことが、私は痛いほど、分かっている。だから、まず一読(いちどく)して貰う。そのあと、で私が、それを解剖し解説する。

(転載貼り付け始め)

「 米中どちらに軍配? WHO総会で習近平スピーチ、トランプ警告書簡 」

https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200522-00179716/

遠藤誉(えんどうほまれ) 中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
2020年5/22(金)

 5月18日、WHO総会オンライン会議で習近平がスピーチしWHOの調査を承諾し、2年間で20億ドル拠出するとしたのに対して、トランプはWHOが30日以内に中国寄りを改善しなければ拠出金を停止し脱退する可能性を示唆した。

◆習近平のスピーチのために関係国首脳に声掛け

 これまでWHO総会に関係国首脳がスピーチをする(副島隆彦加筆。した)という例はあまり見られない。
 しかし今年は習近平のスピーチを可能ならしめるために、敢えて関係国首脳にビデオメッセージの形で開会の挨拶を冒頭に盛り込んだとしか解釈できない。 開会の辞を述べたのは順番に以下の首脳たちである。
   スイス大統領:シモネッタ・ソマルーガ
   国連事務総長:アントニオ・グテーレス
   中華人民共和国国家主席:習近平
   フランス大統領:エマニュエル・マクロン
   韓国大統領:文在寅
   ドイツ首相:アンゲラ・メルケル
   バルバドス首相:ミア・モトリー
   南アフリカ共和国大統領:ラマポーザ
   WHO事務局長:テドロス・アダノム

 この顔ぶれを見て、何を推測することができるだろうか。
 先ず、「おやっ?」と思うのは、これまでは各国首脳がこのように揃って開会の挨拶をするなどということはなかったということだ。
 なのに、なぜ今年はかくも多くの大国を含めた関係国首脳が開会の挨拶をしたのだろうか?
 常識的には二つのことが考えられる。
 一つは戦後初めての大規模なパンデミックが起きていること。
 二つ目は、まだそのパンデミックが収まっていないために、各国首脳が開催地まで足を運ばなくても、ビデオメッセージを送れば済むからだということだ。
 これは弁解しやすい理由になるだろう。

◆実はトランプ大統領は断るだろうことが計算されていた

 しかし、納得いかないのは世界最大の大国でWHOへの拠出金も最大であるアメリカのトランプ大統領の冒頭あいさつがないことである。
 中国の数千年にわたる戦略を心得ている者なら、「ピン!」と来るはずだ。
 手順としては、先ず中国のWHO関係者がテドロス事務局長(あるいはその部下)に以下のように持ち掛ける。
 1.習近平がWHOでスピーチできるチャンスを作って欲しい。なぜならアメリカは習近平とテドロスが全人類に被害をもたらしたと攻撃しているので、二人で対抗していこう。
 2.そのためには、先ずトランプにビデオメッセージを送って欲しいという依頼状を出すことだ。トランプはあれだけWHOを攻撃しているので、必ず断ってくるだろう。
 3.それを見込んで、習近平を含む西側諸国の首脳や発展途上国の首脳などに依頼状を出す。国連のグテーレス事務総長にも依頼して、非常に平等に声がけしている形を創り上げる。
 4.そこでスイスのジュネーブで開催されるのだから、1番目にスイス大統領がスピーチをするのは自然だ。次に国連事務総長。その次に習近平なら誰も文句が言えず、しかも関連各国としては「トップ」で話をしたことになりインパクトがある。
 中国ならば、これくらいの戦略は練る。
 テドロス側には、こういった中国流の頭が働くとは思いにくい。
 トランプは、まずこの段階から中国の戦略に嵌(は)められたと見ることができる。

 その証拠にアメリカのニュースサイト「アクシオス(axios)」は“Scoop: Xi accepts, while Trump rejects, invite to address WHO”(スクープ: WHOのスピーチ招待、習は承諾し、トランプは拒絶した)というスクープ報道をしている。
 トランプは拒否せずに、むしろ受けて立って、堂々とWHO批判をしたり、習近平の責任を追及すればよかったと、個人的には思う。しかしトランプの性格から言って、必ず拒否するだろうと計算できたのが中国5000年の歴史がもたらす百戦錬磨の「戦略」の要だと言っていいだろう。

◆習近平は2年間で20億ドル拠出と発表:キーワードは「人類運命共同体」
 習近平はスピーチで「中国は責任ある態度で一貫してWHOや各国と適時情報共有した。
 途上国の感染対策に今後2年間で20億ドル。ワクチンの開発に成功すれば国際公共財にする」という趣旨のことを言っている。

 アメリカはこれまで年間4億5千万ドルをWHOに拠出し、その額は全体の約15%に及ぶ。中国など僅か0.2%に過ぎず比較の対象ではなかった。それでも採決で有利な方向に持って行けたのはWHO参加国の中の発展途上国などに開発資金援助をしているからだ。特に一帯一路を動かし始めてからの「金による抱き込み」は露骨になっている。
 だからこそ今般の習近平スピーチの最大のキーワードは「人類運命共同体」だ。これに注目しなくてはならない。

 この言葉はトランプがグローバル経済に背を向け、「アメリカ・ファースト」を言い始めてから、その対立軸としての中国を際立たせるために生み出した外交スローガンである。
 コロナとの闘いにおいて「ウイルスに国境はない」として、コロナ発生前から掲げてきたこの「人類運命共同体」という理念がどれだけ素晴らしいかを、習近平は全会で宣伝してきた。コロナで苦しむ発展途上国に医療支援物資を送ったり医療チームを派遣したりして「習近平の偉大さ」と「人類運命共同体の正当性」を宣伝しまくってきたのである。
 全人代開催に当たっても、実は中国内における習近平の立場は弱い。

 1月24日付コラム<新型コロナウイルス肺炎、習近平の指示はなぜ遅れたのか?>や2月10日のコラム<新型肺炎以来、なぜ李克強が習近平より目立つのか?>あるいは3月18日付けコラム<中国はなぜコロナ大拡散から抜け出せたのか?>、特に5月2日付けコラム<全人代開幕日決定から何が見えるか?>で書いたように、習近平の中国国内における立場は非常に「分が悪い」のである。

 だから中国政府に批判的な民主活動家の言論を封殺すべく、中国はつぎつぎに活動家を拘束している。人民の意見が怖いのだ。
 そのため、WHOで習近平が際立った形でスピーチをしたことを、実は中国人民にも見せたい。「ほらね、私が言ってきた『人類運命共同体』という外交戦略は正しかったでしょ?私は偉大でしょ?」と人民に見せつけたいのである。

 そして、もちろんのこと、5月14日付けコラム<感染者急増するロシアはコロナ対中包囲網にどう対応するか_モスクワ便り>に書いたように日本円で「1京(けい)円」を超えるコロナに関する損害賠償を世界8か国の関連団体から請求されているので、何としても国際世論を中国側に有利なように惹きつけておきたいのだ。

◆30日以内に改善しないと拠出金を停止しWHOを脱退すると示唆したトランプの書簡

 トランプはWHO総会開催に際し、テドロス宛に書簡を出している。その骨子は
   ●あなた(テドロス)とWHOによる度重なる失敗が、世界に極めて大きな代償を支払わせたことは明らかだ。
   ●前進できる唯一の方法は、中国から独立した姿を示すことだ。
   ●WHOとして今後30日以内に、実質的な改善に取り組まなければ、アメリカは資金拠出を恒久的に停止し、加盟を再検討する。
 最後の「加盟を再検討する」は「脱退する」と言ったに等しい。これはアメリカに有利に働くだろうか?
 WHO参加国の多くを占める発展途上国は、「発展途上国を支援してくれる国」を応援するだろう。残念ながら、それは「人類運命共同体」を主張し、発展途上国を支援するために20億ドルを支出すると宣言した「中国」だということになる。 その意味で、トランプのこの「金による脅し作戦」は今後の世界覇権という意味で、賢明ではない。もっと戦略的でなければアメリカが損をする。

 トランプが中国とWHOの責任を追及する主張は実に正しい。
 1月31日のコラム<習近平とWHO事務局長の「仲」が人類に危機をもたらす>に書いたように悪いのは習近平の保身であり、エチオピア人であるテドロスの習近平への忖度だ(エチオピアへの最大投資国は中国)。
 いま全人類は習近平とWHOが防ぎきれなかったコロナの災禍で苦しんでいる。どれだけ罪深いことをしていることか。死を以て償っても償いきれない重罪を二人は犯したのである。
 トランプはここにだけに主張の焦点を当てれば、全人類はトランプに賛同し、トランプに拍手喝采を送るだろう。 しかし彼はそうしなかった。

 WHOを習近平が掌握できる方向に動いてしまったのである。そのことが残念でならない。
 4月19日付のコラム<トランプ「WHO拠出金停止」、習近平「高笑い」――アフターコロナの世界新秩序を狙う中国>で書いたように、習近平の狙いは「国連およびその関連機関の乗っ取り」だ。 その習近平を喜ばせる行動に出るべきではなかっただろう。

◆WHOが組織する調査団に習近平は賛同

 WHO総会は最終日の19日、コロナ感染症対応について、独立した検証作業の実施などをWHOに求める決議案を採択した。日本やEUなどが提出した。中国も共同提案に加わったが、アメリカは名を連ねていない。
 習近平はあれだけオーストラリアが提案したコロナに関する独立調査団派遣には反対したのに、WHOが組織する調査団派遣には賛同した。

 前述の5月15日付コラム<習近平、トランプにひれ伏したか?徴収した報復関税の返還命令>に書いたように、オーストラリアの提案はトランプと相談の上で成されたものであり、中国に対するコロナ損害賠償請求の線上にある。だから中国は報復としてオーストラリアからの牛肉の輸入を停止した。 しかしWHOが組織する調査団の特徴には二つある。

●調査の目的は「再発のリスクを減らすため」である。
●調査の目的は(中国が警戒する)責任追及は行わない。
 この二つが決議案に盛り込まれていることに注目しなければならない。だから中国は賛成したのであり、アメリカは賛成しなかったのだ。
 この肝心の部分を見落として、EUやロシアまでが賛成に回ったので、対中包囲網が形成されたと喜ぶのは適切ではない。

 しかも調査は「感染収束後」となっている。せっかく冒頭スピーチで中国人民に良いところを見せた習近平としては、すぐに調査に入られるのでは「功績」が台無しになるし、また、感染の第二波が来るのを非常に警戒している中国としては、現在まだ感染が広がっている諸国から「ウイルスを持っている人」が入国するかもしれないのを防ぎたい思惑もあるだろう。  
 以上、長くなりすぎたので、台湾のWHO総会オブザーバー参加を許さなかったことに関しては、本日アメリカが発表した対中戦略方針と共に、別途考察したい。
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200522-00179716/

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。それでは、このあとは、上記の遠藤誉(ほまれ)先生の文章を、同じものを以下に再度、貼り付け(引用し)ながら、私が、部分、部分に切り分けて、それに、私の論評を、逐一(ちくいち)入れながら、分かり易く解説してゆく。

(再度の、転載貼り付け始め)

「 (コロナ問題で)米中(のどちらに軍配(が上がったか)? ( 私、遠藤誉は、中国に上がった、とはっきり書きたい。だが、そう書くと、これまでの自分の味方、仲間である 日本国内の、反(はん)中国の有識者たちに対して失礼になる。彼らからの自分への誤解が生まれる。遠藤誉の言論は、どうも最近、おかしいなあ、と。だから、そうは書かない。真に頭の良い日本人だけが、それとなく、私、遠藤誉の真意を分かってください ) WHO総会で、習近平がスピーチ(オンライン参加の形で)した。それに対して、トランプ(は)、(WHOへの)警告(の)書簡(を送りつけた。このトランプのやり方は、軽率、短慮であるから、これではアメリカの負けだ)」 となる。

https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200522-00179716/

遠藤誉  中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

2020年5/22(金)

 5月18日に、WHO(の総会が、スイスのジュネーブであった。ここに)オンライン会議(の形)で(中国の)習近平(国家主席)がスピーチし(た)。そして、中国は、WHO(が行うと決めた武漢から広まった新型コロナウイルス)の(国際機関としての)調査を承諾し、(併せて、これからの)2年間で20億ドル(2千億円を、WHOの運営費として)拠出するとした(。それ)に対して、(アメリカの)トランプ(大統領)は、「もしWHOが(今から)30日以内に、中国寄り(の態度)を改善しなければ、(アメリカはWHOへの)拠出金を停止し、ここから脱退する可能性(がある)」と示唆した。

◆習近平のスピーチのために関係国首脳に声掛け

 これまで、WHO総会に関係国首脳がスピーチをする(した、だ。)という例は見られなかった。
 しかし今年は、習近平のスピーチを可能ならしめるために、敢えて関係国の首脳たちに、ビデオメッセージの形で開会での挨拶を、それぞれ、冒頭でやって貰うことを、盛り込んだ(計画した)としか解釈できない。

 開会の辞を述べたのは、順番に以下の首脳たちである。
   スイス大統領:シモネッタ・ソマルーガ
   国連事務総長:アントニオ・グテーレス
   中華人民共和国国家主席:習近平
   フランス大統領:エマニュエル・マクロン
   韓国大統領:文在寅 (ムン・ジェイン)
   ドイツ首相:アンゲラ・メルケル
   バルバドス首相:ミア・モトリー
   南アフリカ共和国大統領:ラマポーザ
   WHO事務局長:テドロス・アダノム

 この顔ぶれを見て、(私たちは)何を推測する(ことができる)だろうか。 先ず、「おやっ?」と、私が、思ったのは、これまでに各国首脳がこのように揃って開会の挨拶をするなどということなど、なかったということだ。
 なのに、なぜ今年は、かくも多くの大国を含めた関係国首脳が開会の挨拶をしたのだろうか?  常識的には二つのことが考えられる。 一つは第2次大戦後、初めての大規模なパンデミック(世界的な感染症の拡大)が起きていること。

 二つ目は、まだそのパンデミックが収まっていないために、各国首脳が開催地まで足を運ばなくても、ビデオメッセージを送れば済むからということ。
 これは主催者側の意思として、弁解しやすい理由になる。

◆実はトランプ大統領は、このビデオメッセージを、断るだろうことが、初めから計算されていた。それでも、納得いかないのは、世界最大の大国であり、WHOへの拠出金も最大であるアメリカ合衆国のトランプ大統領の冒頭のあいさつがない、ということである。

 中国の数千年にわたる戦略を心得ている者なら、「ピン!」と来るはずだ。 手順としては、先(ま)ず、中国のWHOへの出向スタッフが、テドロス事務局長(あるいはその部下)に以下のように持ち掛けただろう。

 1.習近平が、WHOでスピーチできるチャンスを作って欲しい。なぜなら、アメリカは「習近平とテドロスが全人類に被害をもたらした」と攻撃している。だから、習近平とテドロスの2人で対抗していこう。
 2.そのためには、先ず手順として、トランプに「ビデオメッセージを送って欲しい」という依頼状を出すことだ。トランプは、あれだけWHOを攻撃しているのだから、必ず断ってくるだろう。
 3.だから、それを見越して、習近平を含む西側諸国の首脳や発展途上国の首脳などに依頼状を出す。当然、国連のグテーレス事務総長にも依頼して、非常に平等に声がけしているという形を創り上げたのである。
 4.スイスのジュネーブで開催されるのだから、1番目に、スイス大統領がスピーチをするのは自然だ。次に国連事務総長。その次に習近平。これなら誰も文句が言えず、しかも関連各国としては、「トップ」で話をしたことになりインパクトがある。
 
 このように、中国ならば、これくらいの戦略は練る。 WHOのテドロス側に、こういった中国流の頭が働くとは思いにくい。 トランプは、まずこの段階から、中国の戦略に嵌(は)められたと見ることができる。

 その証拠に、アメリカのニュースサイト「アクシオス(axios)」が、 “ Scoop: Xi accepts, while Trump rejects, invite to address WHO ”( スクープ。 WHOでのスピーチ招待、習は承諾したが、トランプは拒絶した )というスクープ報道をした。

 トランプはビデオスピーチを拒否せずに、むしろ受けて立って、堂々とWHO批判をし、習近平の責任を追及すればよかったのだ、と、私は思う。しかし、トランプの性格からして、必ず拒否するだろう、と計算できた。それが、中国5000年の歴史がもたらす百戦錬磨の「戦略」の要なのである。

◆習近平は、2年間で20億ドル拠出と発表した。キーワードは「人類運命共同体」

 習近平は、スピーチで、「中国は責任ある態度で、一貫してWHOや各国と、今度の頃らウイルス問題でも、適時情報を共有した。 途上国の感染症対策に、今後、2年間で20億ドルを出す。そして、今後、ワクチンの開発に成功すれば、それは国際公共財にする」という趣旨のことを言っている。
 アメリカは、これまで、年間4億5千万ドル(500億円)を、WHOに拠出してきた。その額は、全体の約15%に及ぶ。中国の拠出金は、僅(わず)か、0.2%(600万ドル。6億円?)に過ぎず、比較の対象ではなかった。

 それでも、採決で(中国の)有利な方向に持って行けたのは、WHO参加国の中の(多くの)発展途上国に(中国が、多額の)開発資金援助を(それぞれに)している(きた)からだ。特に、「一帯一路」(ワンベルト・ワンロード・イニシアティブ)を、中国が動かし始めてからの(世界各国への)「金による抱き込み」は(ますます)露骨になっている。
 だからこそ、今般の(今回、行われた)習近平スピーチの最大のキーワードは、「人類運命共同体」だ。これに注目しなくてはならない。

 この言葉は、トランプがグローバル経済に背を向け、「アメリカ・ファースト!」(アメリカは国内を優先する。外国のことには、もう、なるべく関わりたくない、という政策)を言い始めてからは、それへの対立軸として、中国の世界政策、世界戦略を際(きわ)立たせるために生み出した外交スローガンである。

 コロナとの闘いにおいて、中国は、「ウイルスに国境はない」として、コロナ発生前から掲げてきた、この「人類運命共同体」という理念がどれだけ素晴らしいかを、習近平は全会で(あらゆる国際会議の場を通して)宣伝してきた。
中国は、コロナで苦しむ発展途上国に医療支援物資を送ったり、医療チームを派遣したりして「習近平の偉大さ」と「人類運命共同体の正当性」を宣伝しまくってきたのである。

 5月22日からの全人代(ぜんじんだい)開催に当たっても、実は中国内における習近平の立場は弱い。 (← 副島隆彦注記。習近平の今の立場は、弱くない。コロナ問題を、極めて上手に解決した、優れた国家指導者として、習近平の評価はもの凄く高い。中国人が、諸手を挙げて、習近平を賞賛した。その証拠の文もある。副島隆彦注記終わり)

 1月24日付の、(私、遠藤誉が書いた)コラム <新型コロナウイルス肺炎、習近平の指示はなぜ遅れたのか?> や 2月10日付けの私のコラム <新型肺炎以来、なぜ李克強が習近平より目立つのか?> あるいは3月18日付けの私のコラム <中国はなぜコロナ大拡散から抜け出せたのか?>、そして特に5月2日付けコラム  <全人代開幕日決定から何が見えるか?> で、私が書いたとおり、習近平の中国国内における立場は非常に「分が悪い」のである。

(← 副島隆彦注記。 遠藤誉女史は、意固地になって、自分でも分かっているくせに、ここでは、虚偽を書いている。 自分が、2月から書いて来た、習近平への評価、判断が、間違い、誤りであることを、覆い隠している。この点が、遠藤女史の、いけないところである。注記終わり)

 だから(全人代の前に、)中国政府に批判的な民主活動家の言論を封殺すべく、中国政府はつぎつぎと活動家を拘束している。人民の意見が怖いのだ。
 そのためもあって、WHOで習近平が際立った形でスピーチをしたことを、実は中国人民にも見せつけたい。「ほらね、私が言ってきた『人類運命共同体』という外交戦略は正しかったでしょ? 私は偉大でしょ?」と、中国人民に見せつけたいのである。

もちろんのこと、5月14日付けの私のコラム <感染者が急増するロシアはコロナ対中包囲網にどう対応するか_モスクワ便り> に書いたように、日本円で「1京(けい)円」を超えるコロナに関する損害賠償を、世界8か国の関連団体から請求されているので、( 習近平体制としては、)何としても国際世論を中国側に有利なように惹きつけておきたいのだ。

(← 副島隆彦注記。遠藤女史は、ここでも、主張に、公平と穏当さを欠いている。コロナウイルス問題で、中国政府を、ウイルス発生とその世界への拡大の責任者として、損害賠償の請求の訴訟を、それぞれ自国の裁判所に起こす、というのは、国際法上、何の意味も持たない。

 これぐらいのことは、遠藤女史なら、重々(じゅうじゅう)分かっているはずなのだ。それなに、冷静さを欠いて、習近平憎し、共産主義体制憎しの、反共右翼としての、自分の骨髄(こつずい)に染み込んだ、長年の信念、強烈な思い込みによって、すぐに、カーッと頭に血が上って、習近平叩きを始める。ここで、主張に、穏やかさと説得力がなくなる。注記、終わり)

◆ 30日以内に改善しない場合は、アメリカは拠出金を停止し、WHOを脱退すると示唆したトランプの書簡

 トランプは、実は、WHO総会開催に際し、テドロス事務局長(マネージング・ダイレクター、専務理事 とも訳す。フランス語なら、セクレタリ・ジェネラール)宛てに、すでに書簡を出している。その骨子は、
 ●あなた(テドロス)とWHOによる度重なる失敗が、世界に極めて大きな代償を支払わせたことは明らかだ。
 ●前進できる唯一の方法は、WHOが、中国から独立した姿を示すことだ。
  ●WHOとして、今後30日以内に、実質的な改善に取り組まなければ、アメリカは資金拠出

を恒久的に停止し、加盟を再検討する。最後の「加盟を再検討する」は「脱退する」と言ったに等しい。
 
(それでは)これは(このトランプの態度と手法は)アメリカに有利に働くだろうか?
 WHO参加国の多くを占める発展途上国は、「発展途上国を(最もよく)支援してくれる国」を応援するだろう。残念ながら、それは、今のところ「人類運命共同体」を主張し、発展途上国を支援するために20億ドルを支出すると宣言した「中国」だということになる。

(← 副島隆彦注記。ここで、はっきりと、遠藤誉は、中国の勝ちだ、と判定している。トランプのやり方は、単なる脅しであって、そんなものは、国際社会では通用しない。アメリカは、もう、それほどの強力な大国ではないのだ。これまでのように、アメリカが圧力をかければ、世界(国際社会)が、その意思に従って動く、ということはなくなっている。このことを 遠藤誉は、分かっているのだ。だから、「残念ながら、発展途上国は、中国になびく」と、判断、判定を下している。注記終わり)

 その意味で、トランプのこの「金による脅し作戦」は、今後の世界覇権(が、どのように、どこに動いてゆくか)という意味で、賢明ではない。もっと戦略的でなければアメリカが損をする。 (← 副島隆彦注記。遠藤誉は、はっきりと、「アメリカは、もうちょっと上手にやらないと、損をする、どころか、負けるよ」と、言っている。注記終わり)

 トランプが中国とWHOの責任を追及する主張(自体)は実に正しい。

 1月31日付けの私のコラムのである <習近平とWHO事務局長の「仲」が人類に危機をもたらす> に書いたように、悪いのは習近平の(自己)保身であり、エチオピア人であるテドロスの習近平への忖度(そんたく。おもねり、追従)だ (エチオピアへの最大投資国は中国だ)。
 いま全人類は、習近平とWHOが防ぎきれなかったコロナの災禍で苦しんでいる。

(この2人は)どれだけ罪深いことをしていることか。 死を以て償っても償いきれない重罪を二人は犯したのである。 (← 副島隆彦注記。あーあ、遠藤女史は、ここまで感情的な書き方をしている。「どれだけ罪深いことを、習近平はしているか」と。ここでは、もう、遠藤女史には、国際政治問題の論評者(コメンテイター)としての客観性は無い。

 ものごとを公平に、冷静に見ることが出来なくなっている。自分が、幼いときに、死ぬほど味わった、共産中国での地獄の体験のために、婆(ばあ)さんになるまで強い妄執になった。ヒステリー体質の、見苦しい 露見、露出だ。ここで、武漢で昨年11月から起きた、新型コロナウイルスの蔓延(感染拡大。アウトブレイク)の、原因は、アメリカの凶暴な勢力によるものだ、その議論が行われてる、という視点は、完全に抜け落ちている。

 あれほど、沈着に、ウイルスと感染症の問題への、高度で、深い理解をして、鋭い解説もしてきたのに。まことに残念である。 何が何でも、アメリカは、世界中を巻き込んで、中国と、戦争をしなければ済まないのだ、という凶暴な世界規模の反共宗教の、特異な狂気の勢力と、遠藤誉氏が、無関係であることを、私は祈る。注記終わり )

 トランプは、ここにだけに主張の焦点を当てれば(当てて、絞り込んで、中国批判を強めれば、)全人類はトランプに賛同し、トランプに拍手喝采を送るだろうに。
 しかし彼はそうしなかった。WHOを(は)、習近平が掌握できる方向に動いてしまったのである。そのことが(私は)残念でならない。(← 副島隆彦注記。ここで、再び、遠藤女史は、冷静さを取り戻して、アメリカの、やり方が稚拙であるが故の、負け、を認めている。極めて妥当な判定である。注記終わり )

 4月19日付の私のコラム <トランプ「WHO拠出金停止」、習近平「高笑い」――アフターコロナの世界新秩序を狙う中国> で書いたように、習近平の狙いは「国連およびその関連機関の乗っ取り」だ。 その習近平を喜ばせる行動に(罠に自分から嵌(は)まるるように)出るべきではなかったのだ。

◆WHOが組織する調査団に習近平は賛同

  WHOの総会は、最終日の19日に、コロナ感染症対応について、「独立した検証作業を実施すること」を、WHO(の事務局、執行部)に求める決議案を採択した。これは、日本やEUなどが提出した(ものだ)。中国も(これの)共同提案(者)に加わった。だが、アメリカは名を連ねていない。

 習近平は、あれだけオーストラリアが提案した、「コロナに関する独立調査団を派遣する」案には反対した。それなのに、「WHO自身が組織する調査団派遣」には賛同した。
 前述の5月15日付け(の私、遠藤誉)のコラム <習近平(は)、トランプにひれ伏した(の)か?(中国が)徴収した報復関税の(アメリカへの)返還命令(が出た)> に書いたが。

 オーストラリアの提案は、トランプと相談の上で成されたものであり、中国に対するコロナ損害賠償請求の線上にある。だから中国は、(上手な戦術として、まず、オーストラリアを叩いて、押え付ける作戦に出て、)報復として「オーストラリアからの牛肉の輸入を(全面的に)停止」した。 

(← 副島隆彦注記。オーストラリアのモリソン首相は、4月の末から、「ウイルス問題は、発生地であり、対処を遅らせた、中国に責任がある。中国は、その政治体制のために、情報を世界に出さなかった」と非難を始めた。それには、5Eyes 「ファイブ・アイズ」5つの目と、呼ばれる、英、米、豪、カナダ、NZ の 5カ国の政府の情報機関(国家スパイ組織)が、連携して行った、「中国の武漢のウイルス研究所から、コロナウイルスが漏出した説」を、声高に唱えた。


 ところが、モリソン首相(この人自身は、英国国教会からの分離主義の、反英国のオーストラリア民族主義者でいい政治家 )は、自分が、このファイブ・アイズが、自分に吹き込んだ、ウソの情報に、自分が踊らされたことに、5月5日には、気づいた。それで、モリソンは、中国の、激しい剣幕の怒りに直面して、急に、しょぼんとなった。

 モリソン首相は、自分の国の牛肉が、中国に輸出出来なくなると、大変な被害が、農業者たちに出ることを、死ぬほど知っている。それで、震え上がって、「もう、言いません」と、ぐにゃぐにゃに態度が、変わったのだ。、その次は、鉄鉱石と高良質の石炭の禁輸へと続く。こういう事実を、日本のメディア(テレビ、新聞)は、報道しない。歪(いびつ)に偏向(へんこう、かたより)しているのだ。凶悪な反共右翼勢力に乗っ取られて、編集権までも握られている、と言ってもいい。

 実は、5月5日を、限りに、ポンペイオ国務長官も、トランプ大統領も、「武漢の研究所から、ウイルスが漏出した」説を、言わなくなった。トランプは、「1000ページの証拠を、入手した」「その証拠の文書を、私は見た」から、遂には、「うるさい。その質問はするな」と、記者を怒鳴る態度に出た。
 ポンペイオは、「証拠の文書はない」と白状してしまった。これで、腰砕けになったのだ。この証拠の文書こそは、「武漢病毒=ウイルス=研究所の石正麗(せきせいれい)が、(4月の23日ごろ)パリのアメリカ大使館に、亡命したときに、持参して持ち出した1000ページの文書」だった。だが、石正麗は、亡命などしていなかった。すべてガセネタの、虚偽の情報だった。台湾発で、捏造された情報だった。

 犯人は、台湾にいる、反(はん)中国で、反共の固い信念を持つ、狂信的な宗教集団(これに、米軍の軍人たちも加わっている)が、作って、トランプを騙して、中国と戦争を始めさせようとしている者たちだ。アメリカが中国(そしてロシア)と戦争を、始めることを、このキチガイたちは、心底、望んでいる。そして、その片割れどもの勢力(おなじ狂信者たち)が、日本にもいる。たくさんいる。

 この勢力に、トランプも、ポンペイオも、モリソンもまんまと騙された。そして大恥をかいた。これが真実だ。だが、このことも日本のメディアは、一切、報道しない。このことを理解するだけの能力のある新聞記者、ジャーナリストがいない。情けない国だ。それどころか、まさしく、この世界反共宗教に、感染した新聞記者たちが、日本にもたくさんいる。

 トランプ政権は、中国に対して、コロナウイルスの世界への感染拡大の責任を追及して、今も強力に制裁(せいさい)、懲罰(ちょうばつ)の行動を行っている、と思っている。
こういうのは、虚仮威(こけおど)しの、ポーズだけで、中味はない、ということを日本人の有識者、知識人階級でも知らない。

 問題は、例の、石正麗(せきせいれい)研究員が、キクガシラコウモリから採取して、2003年のSARS(サーズ)ウイルスの同型のものを発見したことだ。そして、彼女は、今回の新型コロナウイルスと ほぼ同型のものを、2015年に、権威ある学術誌の Nature「ネイチャー」に発表(アメリカ人の共同研究者と)したこと。このことは世界中の最先端の研究者たちに、知られている。

 その石正麗(せきせいれい)たちが、作っ手、武漢ウイルス研究所に保管していた、新型コロナウイルスが、何者かによって盗み出された。1200カ所(3.4%)の突然変異(ミューテイション)を起こしたもの(人工的に遺伝子操作することでも出来る)が、武漢で撒かれた。何者かによって、2016年から19年の間に、盗み出されて、そして、アメリカの、メリーランド州の、フォート・デトリックの生物研究所で、生物兵器(バイオロジカル・ウエポン)として完成させていた。

 武漢で、計画的に、昨年の10月18日(武漢で、世界軍人運動会があった。アメリカからも3百数十人の軍人が参加した)に、撒かれたものであろう。この強い推測が、世界中で立っている。理科系の優れた実験研究者の頭脳をした、遠藤女史が、このことを、知らないはずがない。正直になりなさい! ヘンなイデオロギーや、宗教や、奇っ怪な反共宗教などに、囚(とら)われることなく、思想感染することなく、サイエンティスト(近代学問の徒)として真実を語るべきだ。副島隆彦は、このように思います。注記、解説、終わり)

 しかしWHOが(今回、総会で決議した)「これから組織する、武漢発のコロナ問題の調査団」の特徴には二つがある。
●調査の目的は「再発のリスクを減らすため」である。
●調査の目的は(中国が警戒する)(中国への)責任追及は行わない。
 この二つが決議案に盛り込まれている。(このことに私たちは)注目しなければならない。だから中国は賛成したのであり、アメリカは賛成しなかったのだ。 この肝心の部分を見落として、EUやロシアまでが賛成に回った。だから(これで、安易に)対中包囲網が形成されたと喜ぶのは適切ではない。

(← 副島隆彦注記。こういう細かい指摘と、鋭い観察力は、遠藤女史のような、生来のずば抜けた能力をした人間でなければ、私たちのよう、世界の田舎者では、分からないことだ。注記、終わり)

 しかも調査(の開始)は「感染収束後」となっている。せっかく冒頭スピーチで、(それを中国国内でもニューズ報道で、放映して、)中国人民に良いところを見せた習近平としては、すぐに調査に入られるのでは、(今回のコロナ問題での、中国共産党の指導部の)「功績」

(← 副島隆彦注記。この「功績」が重要。遠藤女史は、習近平が、今度のコロナ封じ込めで、中国国民から、指導者として、賞賛され、功績とされていることを、知っている。中国語を、自然に読めて、高度の政治分析も出来るのだから、女史は、何でも知っているのだ。それなのに、習近平が、今、中国人民に、もの凄く尊敬されている、という事実を、女史は、死ぬほどの憎しみを込めて、否定する。女史の精神は、長年の、共産主義憎しの妄執で、歪んでいる。注記、終わり )

・・この「功績」が台無しになる。また、感染の第二波が来るのを非常に警戒している中国としては、現在まだ感染が広がっている諸国から、「ウイルスを持っている人」が入国するかもしれないのを防ぎたい思惑もあるだろう。 

(← 副島隆彦注記。こんなことは、今や、小さな事だ。このことも、遠藤女史は、知っている。 アメリカの凶暴な、反共宗教勢力 (Moonie 、ヒラリー派)が仕掛けた(攻撃をかけた)、生物兵器戦争を、中国は、きちんと、防御、迎撃(げいげき)しきった。このことの凄さ、を、私たち日本人は、知るべきなのだ。だから、中国の勝ちなのだ。私は、自分の最新刊の本でも、はっきりと、このように書いた。誰に遠慮することも、どんな勢力を恐れることもしない。私は、この国で、希有な本物の政治知識人だからだ。

 そして、この考えは、私、副島隆彦ひとりの、勝手な、考えではない。真に優れた、世界中の最高度に優秀な知識人たちは、皆、このように考えている。それを、分からないフリをして、いくら、自分たちの歪んだ精神で、へんにねじ曲げた物語(ものがたり、ストーリー)に、変更、変質 させてみても、見苦しいだけだ。 注記、解説終わり ) 

 以上、長くなりすぎたので、台湾のWHO総会オブザーバー参加を許さなかったことに関しては、本日アメリカが発表した対中戦略方針と共に、別途考察したい。

https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200522-00179716/

( これで遠藤誉女史の、文と、それへの、私、副島隆彦の注記による、解説文終わり)

副島隆彦です。最後に。 2020年5月20日付けの、中国聯聞(ジュングオ・リエンウエン)(新華社=しんかしゃ=と同格の、中国の国営通信社。これのテレビ版が、中央電視台) に、重要な記事が載った。そこに、「中国は、疫病を、しっかりと 迎撃(げいげき)した、人類で初めての国だ」という表現が出ている。

 ここで、5月22日からの全人代(中国の国民議会)で、現在の習近平指導部への、高い評価と、信頼が、書かれている。だから、それを、正直に、遠藤誉が、「功績」と上記で、書いたのだ。この 「中国聯聞」の重要な記事を、そのうち、重たい掲示板に載せる。

 中国は、アメリカが仕掛けて来た、今回の生物化学戦争(せいぶつかがくせんそう。
biological chemical warfare バイオケミカル・ウオーフェア)に、敢然と勝利したのである。これが、私たち日本人が、今、はっきりと知るべき、たった1行の、もっとも大きな事実、真実である。  副島隆彦拝 


副島隆彦です。今日は、2020年6月10日(水)です。以下に加筆します。
 以下の長文を、ここに追加で貼り付けます。上記の、5月20日の、中国新聞(CCTV 、中国電子台。中国の国営テレビ局の、新聞部門)に載った、記事の、日本語訳を、探せなかったので、代わりに、ニューズウイーク日本語版に載った、「「中国は、疫病をしっかりと 迎撃(げいげき)した、人類で初めての国だ」の当該記事を、憎々(にくにく)しげに 論評した 記事を、以下に載せます。

この記事に、私、副島隆彦が、要所要所で注記として割り込んで、私の論評(ろんぴょう。コメント)をしています。しっかりと、読んでください。

(転載貼り付け始め)

◯「 新型コロナで窮地の習近平を救った「怪我の功名」」

 2020年5/22(金) ニューズウイーク誌   

(副島隆彦注記。 このウエブサイトの記事では、記者、執筆者の名前がない)

 https://news.yahoo.co.jp/articles/395e60ea84ead3b060b4197dbc90fe604d2b361b?page=1

 <コロナ禍で風前の灯火だったはずの習近平政権はなぜか権威を回復。一党独裁体制はむしろ強化された――習礼賛報道から浮かび上がる中国と世界の今後の姿>

 得意満面(とくいまんめん)の様子で全人代の開幕を迎える習近平(5月22日、北京) Carlos Garcia Rawlins-REUTERS

 2020年5月15日、「上海春秋発展戦略院」という民間シンクタンクが開設するニュースサイト観察者網が、「疫病との闘いに成功し、中国人民は自分たちの指導者をより一層信頼する」と題する長文の寄稿を掲載した。

 執筆者の李世黙(りせいもく)氏は、復旦(ふくたん)大学中国研究院の研究員で、上述の春秋発展戦略院の研究員も兼任している。この原稿は英語で書かれ、5月14日に米フォーリンポリシー誌の公式サイトで公開された(Xi Jinping Is a 'Good Emperor')。

 原稿の中国語版が「観察者網」に掲載されると、「環球時報」など中国の著名メディアが転載したので、中国国内では広く読まれた。 寄稿の内容は、タイトルの通り、中国の指導者、習近平国家主席その人を褒め称えるものだ。寄稿はまず、「抗疫 (疫病との闘い)で、中国は党の指導による挙国体制の下で奇跡的な勝利を収めた」と賞賛的に記述した上で、習近平の行動や役割について次のように述べた。

(評論文からの引用)

  1月28日、習主席は、WHOのテドロス事務局長との会談を利用して、「疫病との闘いは自分が直接に責任を取る」と全国民に告げた。その時、中国の民衆は暗澹(あんたん)たる未来に不安を抱き、指導者はかつてない大きなリスクと圧力に直面していた。しかし機会主義的な考え方(行き当たりばったり、のこと)や責任回避は、この指導者の性格には合わない。その時点では、武漢と湖北省全体に対する都市封鎖の意思決定がどのような結果をもたらすかは全く予測できなかった。このような意思決定は、自分1人でしかできない。それがもたらす結果への責任も(最高権力者である)自分しか背負えない。

 今から見れば、彼が(1月23日に)下した「武漢封鎖」の決定は国家を救った。
彼は中央政治局会議を主宰し、政策の指示を出しそれを公表した。彼はマスクをつけてテレビに現れ、最前線の17万人の政府幹部とボランティアを相手に、テレビ会議を開いた。彼は全国民の前で「疫病と戦う人民戦争」を自ら指揮したのである。

(引用終わり)

 以上が「観察者網」と、アメリカの言論誌「フォーリン・ポリシー誌」に載った習近平に対する賞賛の文面だ。ここで、習近平は、国民が未来への暗澹たる不安を抱く中で、すべての責任を一身に背負って果敢な意思決定を行い、国を救った英雄的指導者として描かれている。 5月20日、新華社通信と並ぶ、中国の国営通信社である「中国新聞」(そのテレビ版が、中央電視台、CCTV)も公式サイトで、「抗疫における習近平の功績を讃える」長文の記事を掲載した。記事は冒頭からこう書いている。

(記事の引用)
 疫病を迎撃(げいげき)した最初の国として、中国が巨大な犠牲を払ってコロナウイルスの感染拡大を有効的に封じ込めた。この成功の背後には、最高指導者の習近平主席が『人民第一』に基づいて行なった歴史的選択であり、世界の公共衛生史上前代未聞の動員であった。 中国の14億人が参加した疫病との戦いにおいて、習主席は自ら指揮をとり、自ら采配を振るった。 主席の挙動の1つ1つが、テレビやネットで映され、人々に深い印象を与えた。その場面の1つ1つは歴史の記憶に、そして国民の心の中に刻み込まれた。

(記事の引用終わり)

 このように始まる記事は、続いて前述の「観察者網」記事と同様、武漢封鎖という「歴史的英断」を下したことや、17万人参加のテレビ会議を主宰したこと、あるいは習近平が自ら武漢に赴いて視察したことを取り上げ、それら「歴史的場面」における習近平の采配ぶりを回顧しながら、彼の奮闘と決断がいかに中国の人民と国家を世紀の大災難から救い出したかを縷々(るる)述べている。この描写から浮かび上がってくるのは、人民を愛し国を愛し、優れた決断力と指導力を持ってこの国を救った英雄的な習近平像であり、中国という大国に相応しい偉大なる指導者像である。

 以上は、5月中旬の時点で、中国の国内メディアで流行っている習近平礼賛だ。習への手放しの絶賛は今、中国官制の言論空間にあふれている。

 今年3月初旬までの中国の国内状況は、「5月になってからの習近平への礼賛」とは、全く異なっていた。隔世の感がある。1月下旬から3月初旬までの間、新型肺炎の感染拡大で中国全土が大災難に陥っていた。この時の、習に対する国内の反感と懐疑は、かつてないほどに高まっていた。最高指導者は、世論の厳しい批判にさらされていた。その時の習近平の言動は、国内の反感と批判を買うものばかりのものだった。

 新型肺炎が去年の12月から武漢市内ですでに感染拡大していたのに、習近平が国家指導者として、それを公式に認めて対策を指示したのは1月20日だったからだ。

▼武漢封鎖が実施された1月23日、習近平は、北京で和気藹々とした春節互礼会を主宰した
▼1月25日に、中央の「疫病対策指導小組(対策本部)」が設立されたとき、習が自らトップに就任せず、責任を首相の李克強に押し付けた
▼李克強は、1月27日に武漢へ出向いて現場を激励した。それに対し習が武漢に現れたのは状況が良くなった3月10日である。

 が挙げられている。 国家的危機に際して、多くの国民が感じたのは、冒頭で紹介したような「英雄的な指導者像」ではない。むしろ愚昧、無責任、卑怯といった言葉で表現される習近平像である。あの時点では、彼が長年演じてきた「責任感の強い大指導者」の虚像は崩壊しかけていた。

1月から3月時点での、習近平の不人気、あるいは国民の習に対する反感の強さを示す2つの出来事がある。

  1つは3月6日、新たに任命された武漢市共産党委書記の王忠林(おうちゅうりん)が、新型肺炎への対応会議で、「市民を教育し、習近平総書記や党の恩に感謝させなければならない」と発言した一件である。 この発言は次の日の朝から、地元の「長江日報(ちょうこうにっぽう)」の公式サイトを始め、国内多くの二ユースサイトによって大々的に報じられた。

 これに対するネット上の反発は激しかった。「武漢市民が苦しんでいる最中に、『総書記の恩に感謝』とは何事か」という憤りの声が溢れていた。 そしてその日の午後、これらの国内の発言は、ニュースサイトからいっせいに消された。国民の反発に驚いた当局が、王忠林発言の取り消しを行った。

 2月末、共産党中央宣伝部(ちゅうおうせんでんぶ)の指揮下で、中国中央電視台(CCTV)が、近日出版予定の1冊の本の宣伝を始めた。書名は『大国戦疫』(疫病と戦う大国)だった。本の内容は、新型肺炎への対応における習近平の「戦略的先見性」や「卓越した指導力」を称える内容であったようだ。 しかし、それに対してネット上で猛烈な批判が起こった。

「この惨状で何が『戦略的先見性』か、何が『卓越した指導力』か」といった反発の声がネット上で飛び交った。 3月1日になると、この本の宣伝はぴったりと止まってしまい、本の発売も急きょ中止になった。今も既に印刷済みのはずの本書の出版は宙に浮いたままである。

 政権側が民衆の反発を恐れてタイミングの悪い習近平礼賛を引っ込めた事件だ。このことは国民の習近平に対する反感と反発の大きさを示していた。 そして、2月20日に、本誌ニューズウイーク誌( 副島隆彦注記。すなわち、’ Weekly CIA’ 誌 )のコラムの拙稿(副島隆彦注記。執筆者の名は載っていない)で、「自己弁護に追い込まれた独裁者の落ち目」を書いた。ここで私が指摘したように、当時(1月から3月の間)習近平は中国国内で、さまざまな批判にさらされていた。だから自分の不手際や失敗を弁護しなければならず、政治的窮地に立たされていた。

(← 副島隆彦注記。ところが、5月になって、このニューズウイーク誌の、本当はCIAの覆面記者は、自分の 書いたことが、外(はず)れてしまって、習近平が、中国国内で、民衆からも、圧倒的な人気が出ている、という事実の前に、狼狽(うろた)えた。

 しかし、それでも、何とか、虚勢を張って、「独裁者の落ち目」を、書き続けなければいけない。自分の信念から発する、「中国共産党、憎し」のからの、自分の論旨と主張は、すっかり、おかしくなって、めちゃくちゃになったのだが、それでも、意地を張って、以下のように、自分の記事を続ける。副島隆彦注記終わり)

<欧米の惨状が中国にとっての奇貨に>
 ところが、(1月から数えると)5カ月経った、5月下旬現在、状況は劇的に変わった。
最高指導者としての習近平の地位は、いたって安泰だ。

(← 副島隆彦注記。このニューズウイーク誌の CIA記者は、平然と、このように、自分が、これまで、ずっと書いて来た、習近平叩きの文を、自分で、ひっくり返して、「自分の、中国分析を間違っていた」と、1行も認めずに、あっけらかんと、「習近平の地位は、いたって安泰だ」と、書いた。驚くべき、厚かましさ、厚顔無知の アメリカ人ジャーナリストだ。 

 こういう居直りが、平然と出来るから、たいしたものだ。 CIAというのは、アメリカの国家情報部員(インテリジェンズ・オフィサー)だから、こういうマニューバー(謀略)言論は、平気で出来る。だけど、ぼろぼろにボロが出ている。私、副島隆彦のような批評眼力のある人間には、丸見えだ。まったく、みっともない、惨めで哀れなヤツだ。副島隆彦注記終わり)

 一旦延期された全人代(ぜんじんだい。5月22日から8日間行われた)も、無事に開幕を迎えた。そして以前よりも強まった習近平への礼賛が、今や当たり前のように大手を振って罷(まか)り通っている。 この数カ月間に一体、何か起きたのか。「習近平復活」の理由は一体どこにあるのか。

(副島隆彦注記。厚かましくも、このニューズウイーク誌記者は、「この数ヶ月の間に、一体、中国で何が起きていたのか」だと。自分に向かって、驚愕している。自分が、書いて来たことが、大外(おおはず)れだったことを、自分で、取り繕(とりつくろ)いながら、
さらに、「習近平は、復活した。なぜだ?」と、 自分に驚いている。なぜなら、このお琴の頭の中では、1月から3月に、「中国の独裁者・習近平は、落ち目」で、もう立ち直れないだろうと、と予測していたからだ。落ち目なのは、お前の方だ。

 この、何が何でも、習近平憎(にく)し、の感じは、前の方に、ずっと載せた、我らが、
遠藤誉(えんどうほまれ)女史の感覚と、全く同じものだ。瓜二(うりふた)つと言ってよい。注記終わり。)

 その(習近平の復活の)理由の1つは、中国国内における新型肺炎の感染拡大が食い止められたことにある。現在でも、東北地域の黒竜江省・吉林省・遼寧省では集団感染が、時々起きるから、完全に収まってはいない。しかし全体的な状況は、中国は新型コロナウイルスの封じ込めに成功したことは事実である。

 中国共産党の宣伝部にとって、この成功は習近平礼賛の再開と、本人の指導者としての名誉・権威回復を図る良い材料なった。国内の感染拡大が徐々に収まっていくのに従い、中国の宣伝機関は、全力をあげて習称賛キャンペーンを展開している。
 
 疫病抑制指導小組の責任者になった李首相の最前線での奮闘は抹消された。功績は全て習1人の力という宣伝ぶりだ。 海外での感染拡大も、習近平にとっての名誉挽回の最大の転機となった。
3月中旬から、イタリア、スペン、イギリス、アメリカの西側諸国は次から次へと新型コロナウイルスの感染拡大に襲われた。各国で医療崩壊が起き、社会が混乱に陥って死亡者数が増え、惨状を呈した。西側先進国の中で医療条件のもっとも良いアメリカでも、筆者がこの原稿を書いている5月22日現在、感染者数が155万人以上、死亡者数は9万3000人に上っている。

 欧米諸国がこういう状況で、野党もマスコミも当然、時の為政者に厳しい批判の矛先を向けた。アメリカでは民主党はもちろんのこと、普段からトランプ嫌いの大手メディアが全力をあげて政権とトランプ大統領自身に集中攻撃の砲火を浴びせた。「無能」、「無責任」といった批判が毎日のように流された。 民主国家の中で政権を担当している以上、このような批判を受けるのは当たり前だ。中国共産党の宣伝機関にとって、アメリカ国内で巻き起こったトランプ批判は奇貨そのものだ。彼らによる国内宣伝の格好の材料になった。

 アメリカ国内で新型肺炎絡みのトランプ政権批判を、中国の宣伝機関は国内で流した。アメリカのメディアがトランプ政権やトランプのことを「無能」「無責任」と批判すれば、中国国民はたいていそれを素直に信じた。そして、トランプたちの西側の指導者が「無能」「無責任」であればあるほど、中国の疫病対策を成功に導いた習近平の「有能」「責任感」が証明された。

<正当化された一党独裁の挙国体制>
  欧米諸国における新型肺炎の感染拡大は、中国共産党による一党独裁の正当化の助けになった。コロナウイルスが地球上で猛威を振るった中で、先進7カ国の中でもイタリア、イギリス、アメリカの感染状況が特にひどかった。国内の状況は往々にしてメディアによって誇張的に報道される。
中国国内の宣伝機関は、こういった「奇貨(チャンス)」を見逃さない。

 3月下旬から現在に至るまで、中国のテレビや新聞は、ほとんど毎日のように、アメリカなどのメディア流す映像や関連記事を流し、西側諸国が大変な状況に陥っていることを、中国国民に強く印象付けた。この情報操作の結果、国民は「西側諸国に較べて、わが国の政府の方がよくやっているではないか」との認識を持ち、西側(ザ・ウエスト the West )に対する一種の優越感さえ覚えるようになった。 人民日報や新華社通信は先頭に立って中国国民を相手に次のように訴えるのである。

<ほら、自由や人権を標榜する西側「民主国家」は、感染の拡大を防ぐこともできずにして死亡者数ばかりを増やしている。これらの国々における感染拡大と死亡者数の増加は、個人の自由を重んじるばかりに全体の利益を無視する資本主義・民主政治 の弱点のもたらした悪い結果だ。 それに対して、わが共産党指導下の中国は、党による強い指導体制があるから、挙国一致体制を作り上げて感染拡大を食い止めた。国民の命をきちんと守ったのではないか。われわれの社会主義体制こそ制度的な優越性を持っている>――と。

 こうした宣伝工作の結果、今の中国国内では一党独裁体制に対する懐疑や批判よりも、重大な危機に際しての共産党指導体制への賛美と信頼がエリート階層と一般国民の間のコンセンサスとなった。政権側の唱える「制度的優越性」は、説得力を持って国内一部の共通認識となっている。

中国の民主化を望む私のような立場の者からすれば、苦笑するしかない成り行きだ。

(← 副島隆彦注記。そうですか、「苦笑するしかない」ですか。もっと、他のこと、すなわち、「自分が長年やって来た中国分析は、間違っているのはないか、と、深刻に考え込む」とか、するべきでは? 注記終わり)

 よく考えてみれば、こうなったことは、まさに習近平と共産党政権にとっての“怪我の功名(けがのこうみょう)”である。 

(← 副島隆彦注記。ここで、怪我の功名と訳した、もとの英語が、何なのか、分からない。どうも、こういう意味ではないだろう。もっと違う意味の言葉だろう。「不幸中の幸い」でもない。さっきの「奇貨(きか)」も、変だ。もう少し別の意味の言葉のはずだ。注記、終わり)

 新型肺炎感染の初期段階で習近平政権が行なった情報隠蔽(じょうほういんぺい)こそが中国国内と世界中の感染拡大を作り出した最大の要因だ。習と中国共産党こそが災いをもたらしたA級戦犯だ。

(← 副島隆彦注記。ほら、ここで、急にいつもの居直りが始まった。 コロナウイルスを、武漢で撒いたのは、アメリカ軍の中の凶暴なムーニー勢力、すなわち、この文を書いている、お前のような、CIAの覆面記者もお仲間の、世界反共同盟Nemesis ネメシス だ。中国は、この攻撃を、敢然として、防御、撃退、そう、まさしく、迎撃(げいげき)したのだ。

 ここらで必ず、習近平と中国共産党への、八つ当たりの、お決まりの逆襲が始まる。 反共右翼(はんきょううよく)人間は、いつものことで、このお題目(だいもく)を、必ず、この辺で、唱え始める。ドンツク、ドンツクと、団扇太鼓(うちわだいこ)を叩き始める。我らが、遠藤誉女史と、全く同じ、思考回路であり、お題目が始まるタイミングも、そっくりだ。自分たちのその迷妄の頭(思考)をこそ点検すべきなのに。注記、終わり )

 中国国内の感染拡大が収まったのに、コロナが世界中に拡散し、西側諸国を苦しめた。このことが、習近平自身の権威回復と共産党の体制強化に繋がった。歴史の皮肉というしかない。習近平と共産党は強い悪運の持ち主だ。それでは今後、習近平政権と中国はどうなっていくのだろうか。

<「焼け太り」中国vsアメリカの新冷戦>
  ポストコロナの習近平政権は、以前よりも磐石となった。独裁者としての習の地位はさらに強固たるものとなろう。今の彼は、「素晴らしい決断で国を救った英雄」となっている。 そして共産党の一党独裁体制もさらに強化される。国民の命を救ったとされる共産党指導の「制度的優越性」は、今後、一種の魔術的な言葉となって共産党擁護の殺し文句となっていく。共産党統治はしばらく安泰だ。

(← 副島隆彦注記。負け惜しみのように、こういうことをはっきりと書いている。自分たちが、先に手を出して、中国へのウイルス攻撃で、生物化学戦争を始めたのに、きれいに防御されてしまった。それで、こういう、ふて腐れの、「そうだよ。今回は、お前たちの勝ちだよ」判定を、明瞭に書いている。こういうところでは、CIA覆面記者は、アメリカの国家情報部内で中国分析の大物なのだろうから、極めて潔(いさぎよ)い。注記、終わり)

 しかし、国際関係においては中国と国際社会との乖離(かいり)、そして中国とアメリカとの対立は、今後ますます深まり長期化していく。アメリカを中心にコロナウイルスを拡大させた中国の責任を追及し、賠償を求める国際的な動きが広がっていくだろう。

(← 副島隆彦注記。残念でした。そうはならないよ。世界中の、後進国の指導者たちが、訝(いぶか)しそうな、疑いの目で、アメリカを見ているからだ。)

 だが中国は当然、それには一切応じずにして徹底的に反論する。中国はいかなる責任も認めることはしない。「ウイルス拡散の責任」を認めてしまえば、それがウイルス退治の「英雄」である習の名前に傷づくからである。
 「制度的優越性」に自信を深めた共産党政権は、より一層、西側の期待する民主化への道に背を向けて一党独裁体制の強化と永続化を目指していくであろう。

(← 副島隆彦注記。それは、ちがう。間違いだ。中国は、どんどん急いで、国内体制を、民主制度の方に、変更してゆく。そのことを、副島隆彦は、自分の近年の本たちで、ずっと書いて来た。注記、終わり)

 それと同時に、疫病との戦いに勝利した習政権は、ますます、経済・軍事・国際戦略などのあらゆる側面において、アメリカとの対決姿勢を強めていく。 中国国内における専制体制の強化と、米中対立の本格化、長期化が、ポストコロナの世界の構図であろう。 (終わり)

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝 

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