原タイトルは「Denial:Holocaust History on Trial」となっています。Denial は「否定」、Holocaust History on Trialは「裁判にかけられたホロコーストの歴史」と直訳できます。Holocaustとは「犠牲の山羊」という意味です。古代ユダヤ教では、供え物として主に山羊を用いました。それを、ヘブライ語でホロコーストといいます。
リップシュタットが書いた本は、『ホロコーストの真実(Denying the Holocaust:The Growing Assault on Truth and Memory)』といいます。これは1993年に書かれました。リップシュタットは、その本の中で、アーヴィングはうそつきの歴史捏造家だと公然と批判しました。
この映画の監督はミック・ジャクソン(Mick Jackson、1943年-)、脚本はデイヴィッド・ヘアー(David Hare、1947年-)で、それなりに経験を積んでいる人たちです。パンフレットに書いてありましたが、アーヴィングを演じるティモシー・スポールは、ジョセフ・ウイリアム・ターナー(Joseph William Turner、1775-1851年)という、イギリスの有名な風景画家――ぼやっとした感じの情景の中に光がぱっと差して、その中に船が浮かんでいるような絵、あるいは牧場の景色とか山の景色――を描いた『ターナー、光に愛を求めて』という2014年の映画でも主演を務めています。
それでは、一体、何万人のユダヤ人が収容所で死んだのでしょう。ノーマン・フィンケルスタイン(Norman Finkelstein、1953年-)が書いた『ホロコースト産業―同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち―((The Holocaust Industry. Reflections on the Exploitation of Jewish Suffering)』(立木勝訳、三交社、2004年)という本があります。12~13年前に、日本語訳が出ています。この「ホロコースト・インダストリー」という言葉を直訳すると「ホロコースト産業」になります。わかりやすく言うと、ナチスのユダヤ人絶滅収容所という言い方をしますが、ユダヤ人を収容所でたくさん殺したことで大騒ぎをして、それをお金もうけにしている人たちという意味です。