彼は、『ドリアン・グレイの肖像』というのを書いて、あと『サロメ』を書いて、この Lady Windermere's Fan 『ウィンダミア夫人の扇子』を書いた。彼は劇作家としてものすごくすぐれていて爆発的に人気があった、ロンドンで。 しかし男色(ホモ・セクシャリティ)で投獄されてしまう。日本でいえば男色なんていうのは衆道(しゅうどう)と言ってそれなりに許されてきた。お稚児(ちご)さん=美少年への性愛はそこらじゅうでやっていた。
このオスカー・ワイルドの Lady Windermere's Fan 「ウィンダミア夫人の扇子」は、「理想の女(ひと)」という邦題で、映画でリメイクされている。これを映画論として私はすでに書いている。何というんですかね、若い女と知り合った男を邪魔ばかりする妖艶な年増のご婦人がいた。この女性が、実は自分が愛している若い女性の実の母親だったという話だ。