国の自衛権 Self Defense Right とは、この地球上のすべての国家が当然に自然に持ち、手放すことのできない、奪われることのできない固有の権利(インエイリアナブル・ライト)である。このことははっきりしている。そうすると、この自衛権(国防権)の集団的行使とは、日本が「同盟国」(ally)と共同で戦闘行動を行うことである。もっと簡単に言えば、日本軍(自衛隊がやがて憲法改正により改組されて、国防軍あるいは、国軍になる)が、アメリカ軍と本格的に共同で軍事行動をすることをいう。
もっとはっきり書こう。アメリカは、日本を中国と対立させ、中国にぶつけるつもりである。日中を分断して、いがみ合わせる。それで、「漁夫の利」を得ようと考えているのである。これこそは、二一世紀初頭のアメリカの対日戦略である。これを「分断して支配せよ!」戦略と言う。「分断して支配せよ! Divide and rule! 戦略」については、後述する。
この新たな重要な対日戦略論文「米国と日本――成熟したパートナーシップに向けた前進」 は、アメリカ国防大学の国家戦略研究所が二〇〇〇年一〇月に発表したものであり、英文ではThe United States and Japan; Toward a Mature Partnership(INSS Special report,October 11,200)である。この原文は、インターネット上でも読むことができる。