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[19]番外編の投稿:重掲[1694]の続きの続き
投稿者:相田(Wired)
投稿日:2014-11-23 23:42:29

 みなさんこんにちは、相田です。
 南部の話の後半を投稿します。

 前回よりもさらに色々と危い内容になっていますが、南部の仕事を一般の方々向けに解説するという無謀な試みを、とりあえず見守って下さい。

++++++++++++++++++++++++++++++

題目「思想対立が引き起こした福島原発事故」

第1章 素粒子論グループの光と影

1.8 〔番外編〕南部陽一郎、朝永門下生のキリスト(その2) 

 さて、前にも述べたが、ここの話は全て西村肇先生が「現代化学」という雑誌に書かれている紹介記事「南部陽一郎の独創性の秘密をさぐる(1)(2)(3)」の受け売りである。西村先生は応用化学の権威である一方で、素粒子物理学に関しても造詣が深く、南部の実力についてかねてから注目されていたという。自らを「南部の追っかけ」であることを公言されている。

 南部が問題の論文で計算した方法は、朝永の「超多時間理論」とは異なり、以前のダンコフが試みたモデルであったという。ダンコフは電子の「自己エネルギー」を計算する際に、計算項の一部を抜かしてしまい、結果として発散が残ってしまった。計算間違いが無ければ10年前に、ダンコフにより「くりこみ」は完成した筈であった。南部は朝永の講義を聴きながらダンコフのモデルの筋の良さを見抜き、自分一人で朝永グループとは異なる手順で、ラムシフトの計算を秘かに行っていたという。

 西村先生によると、南部論文の驚くべき点は朝永グループとの人数差だけではないらしい。電子の「自己エネルギー」を計算する際には、電子から電磁波(光、photonと同じ)が放出され「中間状態となった電子」が、再度電磁波と反応して別の安定状態に至るが、その過程のエネルギー変化を全て計算で求めることになる。朝永グループの計算は「中間状態となった電子」を「通常の電子」1種のみとしているが、南部の論文では「通常の電子」と「反粒子=陽電子」の場合の二通りを考えて計算を行っているという。「中間状態となった電子」が2種類ある場合は、理屈から計算量が3倍に膨らむことになるのだが、その結果として朝永グループとの人数差と合わせると、南部は通常の研究者と比べて何と10倍以上の速度で計算を行っていると、西村先生は述べられている。

 朝永グループも別に皆アホではなく、当代一流の物理学者の集団である。それを相手に10倍以上のスピードでの計算が可能とは、信じがたい話である。しかし南部の元論文(ネットでダウンロード出来る)を見ると、彼の計算の速さの理由が素人の私でも少し見えてくる。

 南部は論文の中で、電子がエネルギーのやり取りを行うそれぞれの過程について、矢印を用いた独特の略図を用いて区別している。西村先生によると南部のこの略図は、当時まだ未発表であった、R.ファインマンが発明したファインマン・ダイアグラムと呼ばれる、素粒子反応の計算方法と同じ物であるらしい。ファインマンは朝永と同じ「くりこみ論」により、ノーベル賞を同時受賞している著名な物理学者である。「ご冗談でしょうファインマンさん」等に代表される、軽妙なエッセイの著者としても知られる。

 ファインマン・ダイアグラムとは、素粒子の生成、消滅反応を、矢印、波線、丸等の単純な記号の組合せて描いた、一見にして子供の落書きのようにしか見えない図形である。しかしながら、それぞれの記号の位置に、定められたルールに従って数式を当て嵌めると、素粒子反応を記述する極めて難解な数式がいとも容易に導かれるという、手品のような物理数学のテクニックである。量子力学の創始者であるN.ボーアは、学会で初めてファインマン自身からこのダイアグラムの説明を聞いた時に、内容があまりにふざけていると感じて激怒したそうである。

 南部は彼自身の論文で、ファインマン・ダイアグラムに近い技法を、何と自ら編み出して、事前に電子のエネルギー変化の過程を厳密に整理、分類した後に、ラムシフトの計算を行っていたらしい。この当時の南部は、まだ20代後半の駆け出し研究者である。真実であるならば、南部の物理センスの凄まじさは言葉を失うレベルである。

 ただし、南部がラムシフトを計算したこの論文に関しての解説は、西村先生以外には見当たらず、南部自身ですらも何故か全くコメントしていないようである。実際の南部の論文を眺めると、西村先生の説明のとおりの内容と私には思えるが、朝永への遠慮とかの様々な支障があって、あえて触れないのであろうか? 南部自身は、武谷、坂田等のように、物理に直接関係ない話をベラベラ主張することを全くしない人なので、「論文に全て書いてあるからそっちを読めばわかる」ということなのであろう。たとえ読んだところで、何が書かれているか全くわからない者が(私を含めて)ほとんどなのであるが・・・・

 南部の物理学者としてのスケールの大きさは日本には収まりきらず、その3年後にはアメリカに渡っている。南部はシカゴ大学に迎えられ、素粒子物理学の教授 -あのE.フェルミと同格の― として、数々の偉大な業績を残すこととなった。南部のノーベル賞受賞の対象となった「対称性の自発的破れ」という理論は、私の学力では理解がおぼつかない難解さである。それでもいえることは南部のこの理論は、固体物理学で知られる超伝導現象を素粒子物理に適用したモデルということである。超伝導とはある種の金属やセラミックス材料の電気抵抗が、一定温度以下の低温でゼロとなる現象である。

 20世紀初頭に発見された超伝導現象のメカニズムは長らく不明なままであったが、1950年代の後半に、バーディーン、クーパー、シュライファーの3人のアメリカ人物理学者により、物質中の2個の電子が組み合わさって運動することで、ボーズ・アインシュタイン凝縮という最低エネルギー状態に落ち込む現象が生じて、超伝導が発現するというモデル(BCS理論)が発表された。当時アメリカに移っていた南部はそのニュースを間近で聞きながら、BCS理論の背後に素粒子物理学との深い相関があることを予感したらしい。数年の考察を経た南部が、1960年に発表した理論が「対称性の自発的破れ」である。

 世の中に存在する物質は莫大な数の原子により構成されており、個々の原子は陽子、中性子、電子等の素粒子により構成される。さらに陽子、中性子の内部にはクオークと呼ばれる微細粒子が存在するとされている。このように物質を構成する要素を微細化、単純化することで自然の本質に迫ることを目的とした学問が、日本の湯川を始祖とする素粒子物理学である。

 それまで多くの物理学者は、個々の素粒子まで自然を単純化してモデル化することで、多数の原子が組み合わさって構成される実際の物質の挙動を、精密に予測し得ると考えていた。しかし南部は、素粒子の持つ性質を突き詰めると、その背後には超伝導と同じ現象が存在していると主張した。言い換えると、物質を究極的に微細化・単純化してゆくと、そこを支配する法則は何と、マクロな物質(多体粒子による構成体)で生じる法則が再び現れるのだという、それまで誰も考えもしなかった破天荒で逆説的な考え方を、南部は導入したのである。

 今盛んに報道されている「ヒッグス粒子」に関するP.ヒッグスの論文は、南部の「対称性の自発的破れ」に関する論文の、ほとんど焼き写しであることはよく知られている。南部の論文に示唆を受けたヒッグスは、自らのアイデアを論文に纏めて多数の学会誌に投稿するものの、掲載を全て拒絶されてしまったという。しかしある論文誌の査読者を務めていた南部自身がヒッグスの論文を目にして、「いい内容だ、がんばれ」と勇気づけた(encourageした)という。この論文がヒッグスのノーベル賞受賞の対象となった。

 さらにそのヒッグス論文のモデルを用いて、グラショウ、ワインバーグ、サラムの3人の物理学者が、電磁気力(電磁気的相互作用)と弱い相互作用という二つの現象を併せて記述できる「弱電統一理論」というモデルを60年代後半に提案した。70年代になりこの弱電統一理論により予測される粒子が加速器実験により確認されたことで、提案者の3人は1979年にノーベル賞を受賞し、素粒子物理学の理論体系は一応の完成を見たとみなされるようになった。しかし、これらの一連のモデルのそもそもの起源は、南部による超伝導現象(固体物理学)と素粒子物理学の融合という、他に類を見ない独創的な発想にあるのである。

 南部がこの理論を考え付いた理由の一つに、彼の出身大学が東大だったことが挙げられる。東大は素粒子物理学では湯川、朝永、坂田を輩出した京大に出遅れていたが、統計物理学や固体物理学等の多体現象を扱う分野が伝統的に強い。伏見康治も統計物理学の専門家である。朝永教室に通う前の南部も固体物理学を深く学んでいたことから、BCS理論が発表された当時に、そこに潜む重要性を直感で見抜くことが出来たといわれる。

 しかし戦後の東大は、南部やその同世代の若手の素粒子物理学者達を冷遇し、彼らを全て大阪市立大学等の地方の新設大学等に放逐してしまった。武谷は当時、彼ら東大の若手素粒子物理学者達の才能を惜しみ、東京に残してくれるように大学側に何度も懇願したが、聞き入れられなかったという。その後に彼らの幾人かは東大に戻されたが、アメリカに渡った南部は二度と日本の大学に帰ることはなかった。

 南部がノーベル賞を受賞した際に、文科省が「あれはアメリカ人の仕事だ」と南部の業績を軽くあしらったのは、南部の実力を見抜くことが出来ずに追放してしまった東大学閥OBの思惑も関係している。南部は60年代末に国籍をアメリカに移してはいるが、南部の非凡な才能は東大時代に既に開花していた。

 ちなみに南部の業績はこれだけではなく、クオークの性質に「色」という新たな「自由度」の概念を持ち込んだ「クオーク色力学」の創生と、素粒子の挙動が点ではなく、一定の長さを有する「ひも」として記述されるという「ひも理論」の開祖もまた南部なのである。「クオーク色力学」「ひも理論」それぞれが、ノーベル賞に値する優れた発見であると言われる。

 日本の「歴代の物理学者」の中で最もスキルが高いのは、仁科でも湯川でも朝永でも坂田でもなく、南部なのだとプロの物理屋の中では語られている。その一方で、南部のノーベル賞受賞は80歳を過ぎてからとあまりにも遅かった。南部の凄まじい才能に脅威を覚えた、アメリカの物理学者達の働きかけがその一因にあるとも言われている。

 戦後に若手科学者達が貧しい日本から、海外に頭脳流出することが問題にされた際に、武谷は「(物理学者では)南部以外は、別にいなくなってもどうってことない」と、コメントしたそうである。一方の南部は、研究に取り組む際には単なる数式上の整合性だけではなく、「自分のモデルが実体として存在する場合にどうなるか?」と、つねに考え続けていたという。武谷三段階論が科学の方法論として有効であるのならば、南部の一連の研究成果こそは、坂田のそれをも上回る三段階論の理想が結晶化した姿であると、おそらくはいえるのだろう。

 あの大変口の悪い益川氏も、ノーベル賞を南部と共同受賞する件を聞かれた際には、感動が込み上げて人目も憚らずに涙を流したという。当然ながら益川氏は、南部の実力についてよく知っている。益川氏のひねくれた物腰を私は好きではないが、南部のことを思った際に思わず出た、自分の気持ちに正直な態度には好感が持てる。

(番外編終わり)

相田英男 拝



[17]番外編の投稿:重掲[1694]の続き
投稿者:相田 (Wired)
投稿日:2014-11-19 22:53:32

 突然お邪魔します。相田といいます。

 以下の書き込みは、重掲[1694]で書いていた原子力開発に関する論考の続きです。今回の内容は原子力に全く関係しないため、番外編としてこちらに投稿します。

 この話を投稿するべきか、私は相当に悩みましたが、恥を忍んで載せてみます。下に記すように、今回の内容は実は、西村肇先生が「現代化学」という雑誌に書かれた紹介文の丸々引き写しだからです。それでも、南部陽一郎(なんぶよういちろう)の生様(いきざま)を、物理に関係ない方々に、何とかわかりやすく説明するべく纏めてみました。

 プロの方からは突っ込みの嵐だと思いますが、もっと正確に、わかりやすく説明できる方がおられたら、ぜひとも御指摘頂きたく・・・・

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題目「思想対立が引き起こした福島原発事故」

第1章 素粒子論グループの光と影

1.8 〔番外編〕南部陽一郎、朝永門下生のキリスト 

以下の章では湯川のライバルとして名高い朝永にゆかりのある人物にスポットをあてる。最初に南部陽一郎(なんぶよういちろう)という学者についてふれる。ここでの南部の話は、原子力開発とはほとんど関係のない、はっきり言って余談である。本論考は別に、私の素粒子物理学の薀蓄(うんちく)を述べるのが目的ではなく、そのような資格も私には全くないことも自覚している。しかし、日本の素粒子物理の歴史に触れるからには、南部の話はどうしても入れたいと、自分の不勉強を重々承知の上で、私は思った。

 さらにここでの話は、西村肇先生が「現代化学」という雑誌で書かれた南部の紹介文「南部陽一郎の独創性の秘密を探る(1)(2)(3)」からの、完全な引き写しであることを素直に告白する。ただし、西村先生の話は、基本的にはプロの研究者に向けて書かれた内容であり、一般の方々にはやはりハードルが高いと私には思える。

南部はまだ存命であり、長年暮らしたシカゴの自宅を引き払って、今では大阪豊中で静かに暮らしているらしい。大変失礼な言い方ではあるが、南部がまだ健在なうちに(既に90歳を越えている)、学問の世界で彼がどのような位置づけにある人なのかを、一般の方々にも少しでも理解して頂ければと、この欄を加えた。

 ちなみに私は素粒子物理学の基礎となる「場の量子論(ばのりょうしろん)」については、全く理解できていないことを告白しておく。マルクスの「資本論」を読んで「場の量子論」を勉強したりすると、とてもではないが、仕事の合間にこのような論考を纏める時間など、自分には無くなってしまう。それを考えると武谷、坂田等が20代でこれらの知見に精通していたことは、誠に偉大であると素直に思う。

 さて、私が南部の名前を知ったのは、バブルが弾けた後の私が社会人になりたての時期に、アメリカ留学から戻ったとある研究者の方と知り合った時である。その方から私は、「シカゴ大学に、素粒子物理に関するカリスマ的な実力と存在感を持つ南部という日本人学者がいるが、日本では一般に全く名前が知られていない」、という話を聞いた。その方はシカゴで、南部と会って話したことがあるとも言われた。私がその後に南部の話に触れたのは、西村先生が副島先生との幻の対談の中で、南部について「ものすごい実力を持つ学者だ」とコメントされていたのを読んだ時で、やはりそうなのかと私は思った。

 2008年に南部は、益川、小林と3名同時にノーベル物理学賞を受賞したことから、一般にも多少はその名が知られるようになった。ノーベル賞受賞時には益川氏のインパクトが強すぎて、マスコミの南部の扱いは地味なものであった。しかしながら、物理学者の間では3人の中では南部への評価がダントツに高い。他の二人は南部にノーベル賞を渡すためのサクラというか、引き立て役の印象が強い。あまり知られていないが、あの時のノーベル賞の賞金は、半分を南部が受け取り、残りの1/4ずつを益川、小林で分け合っている。益川、小林の発見は二人の共同作業によることが理由であるが、南部と他の二人では研究のレベルが違うことを、ノーベル財団がはっきり認めているともいえる。

実は南部は武谷三男との関係も非常に深く、武谷三段階論の有力な支持者でもある。南部は自身の回顧録やインタビューの中で、「自分が物理モデルを考える際には武谷の三段階論を参考にしている」と、度々言及している。そのようなこともあり、以下の話は武谷に関するスピンオフ的な話として、読んでいただければと思う。

南部の生まれは東京であるが、幼少時に関東大震災に遭遇した一家が、父親の故郷の福井県に疎開したことで、東大入学まで南部は福井で過ごしている。南部の東大時代は太平洋戦争の真っただ中であったため、1年間早く大学を卒業させられた南部は、終戦まで陸軍に入隊して過ごした経歴を持つ。終戦後の荒れ果てた環境で東大に戻った南部は、大学の研究室に泊まり込みながら、多くの先輩や仲間と共に研究活動に没頭したという。

東大には京大と違って、素粒子物理学に詳しい教授は非常に少なく、南部は東大の主流であった統計物理学や固体物理学を学んでいた。しかし、友人の木庭二郎(こばじろう)が理研の朝永の弟子となり素粒子物理学を専攻したことから、南部も一緒に朝永の勉強会に参加することになった。

当時は理研に所属していた武谷が、湯川の弟子の一人で東大に移って来た、素粒子論グループの世話役でもある中村誠太郎(なかむらせいたろう)に会うために、頻繁に東大を訪れていたという。武谷と南部は次第に懇意となり、議論を交わすこともしばしばあったらしい。そこで武谷の哲学を繰り返し聞かされた南部は、否応なく武谷の三段階論を受け入れることになったと、後のインタビューでコメントしている。但し、南部が武谷から受け入れたのは三段階論の方法論のみであり、左翼思想についての関心は特に無かったらしい。

武谷については好意的な南部であるが、研究に左翼思想を頻繁に持ち込む坂田昌一(さかたしょういち)には厳しいコメントも残している。南部はアメリカでインタビューを受けた際に坂田について触れている。そこで南部は、晩年の坂田が研究を止めてしまい政治活動にのめり込んだ結果として、日本の素粒子物理学は坂田に批判的な関東を中心とするグループと、坂田を擁護する関西・西日本グループの東西に2分されてしまったと述べている。南部自身は武谷流の「実体」を重視する哲学を持っていたのだが、「自分は東大出身であったためか、何故か関東グループの一員とみなされてしまった」、ということである。
 
ここで南部の師ともいえる朝永振一郎の研究について触れる。朝永は終戦後には活動の場を理研から東京文理科大(後の東京教育大学で現在は筑波大学に改組される)に移しつつあった。

 朝永の研究課題は、マックスウェルの電磁場方程式と量子力学を組み合わせた「量子電磁気学」である。当時、マックスウェル方程式により電子等の電荷を持つ素粒子を扱う場合には、量子力学との間で深刻な矛盾が存在していた。問題をごく簡単に説明すると、電子が有する電磁気エネルギーは、電子からの距離rに対して1/rで減少するのだが、電子は大きさを持たない「点」であるため、極限まで電子の中心に近い領域では、電子1個の持つエネルギーが計算上は無限大に増加してしまうのである。

 また電子は、それ自体が周囲に光を放出して他の電子と、場合によっては自分自身ともエネルギーのやり取りを行う。これを電子の自己相互作用(じこそうごさよう)と呼ぶ。素粒子の持つエネルギーは、アインシュタインの相対性理論から導かれるE=mc2の関係式から、その一部が質量mに転化される場合があるのだが、電子の自己相互作用のエネルギー変化を厳密に積分計算すると、電子の質量もまた無限大となってしまうという、これまた厄介な結果が待ち受けていた。電子1個の持つエネルギーや質量が無限大になることなど、現実の世界ではあり得ないため、理論に矛盾があることは明らかであった。

 この電磁気学と量子力学を組み合わせた際に現れる、積分の無限大を解決するために考えられた方法が「くりこみ」である。「くりこみ」の厳密な内容については、私の今の理解では満足いく説明は不可能であるため、ここでは話を端折って進める。一つの例えでは「くりこみ」とは、『電子の中心のエネルギーが無限大に増加するのであれば、電子の質量は逆に「負の無限大」となるように積分の項を再構成して、正負の無限大を足し合わせて有限の値を得ること』、であるらしい。

 こんな説明では「一体なんだそれは!?」と誰もが怒ると推測するが、ここではこの内容で勘弁して頂きたい。積分内部の無限大となる項を上手に整理して、計算結果を有限の値に戻してしまう数学的な操作である。説明は簡単であるが、単なるその場しのぎの計算テクニックではなく、数式に対する深い物理的な理解に裏打ちされた理論である。

 「くりこみ」の可能性については、朝永以前からアメリカの物理学者達によりしばしば提案がなされていたそうである。「無限大の発散」の問題について初めて指摘したのは、後にアメリカの原爆開発のリーダーとして活躍するオッペンハイマーである。1937年にオッペンハイマーの弟子のダンコフという物理学者は、1個の電子が発生する「自己相互作用」の効果について逐一仮定、計算して、くりこみの実現を狙ったが、結局は無限大を解消出来ずに終わった。

 一方で電磁場を量子化する理論式は1930年代に、コペンハーゲンのハイゼンベルクやパウリ、ディラック等により体系化されていたが、朝永はこの理論式がアインシュタインの相対性理論との対応ができていないことが問題だと推測し、戦争中に理論の再検討を行い、「超多時間理論」という洗練された理論を編み出した。「超多時間理論」のわかりやすい説明は私には不可能なのだが、この過程では無限大となる積分項の分類と、数学的な振る舞いの詳細な検討が、朝永により行われたようである。

 戦後に東京文理大学で、弟子たちとの物理の勉強会を再開した朝永は、残された「無限大の発散」の難題を解決するべく議論を進めていった。当時、湯川の下を離れて名大に移った坂田から、「C中間子」という仮想的な粒子を導入することで、発散が解消できるとの報告がなされた。坂田の話に当初は半信半疑であった朝永であったが、弟子たちの計算によりC中間子の効果で、無限大の積分項の一部が解消することが示された。この経験から朝永は「くりこみ」の有効性に注目し始めたという。

 折しも1947年にアメリカより一つのニュースがもたらされた。ラムとレジャフォードにより、水素原子中の特定の軌道の電子について最新の測定技術でエネルギーを調べた結果、ディラック方程式から導かれる理論値から約 1000 MHz のエネルギー差があることがわかった。この電子のエネルギーのずれは「ラムシフト」と呼ばれたが、その理由としては、電子の電磁気エネルギーが自分自体に影響する「自己相互作用」の影響と予想された。

 ラムシフトを理論計算で導くには、積分で発散を生じない量子電磁気学的なモデルが必要となるため、アメリカ中の物理学者によりラムシフトの導出が進められた。この知らせを聞いた朝永グループは、それまでの研究から完成した「くりこみ論」を用いて、ラムシフトの計算に取組み、正確な値を得ることに成功し、後年の朝永のノーベル賞受賞に繋がった、とされる。

 ここまでの話が一般に語られている、朝永のノーベル賞受賞に至るまでの所謂「顕教(けんきょう)」であるのだが、その裏でほとんど注目されていない一つの事実があることを、西村肇先生は指摘されている。

 朝永グループによるラムシフトの値を1076MHzと計算した論文は、1949年4月に出版された日本の英文雑誌「Progress of Theoretical Particle Physics」に掲載された。この論文誌(略称PTP)は、戦後に湯川が日本の理論物理学のレベル向上を目指して、半ば自費出版の形で始めた雑誌であり、素粒子論グループの研究成果の多くはPTPに発表されている。しかし朝永グループの論文発表の3か月前のPTPの1月号には、ラムシフトの値を1019MHzと計算で導いた論文が既に掲載されているのである。論文の投稿者は南部陽一郎である。

 文理大の勉強会では朝永グループの一員として計算に協力することは無く、後ろの方でただ講義を黙って聞き続けていた南部であるが、自ら一人で朝永グループと別にラムシフトの計算に取り組んでいたのである。驚くべきことに朝永論文では、朝永自身を含む5人以上で計算を分担したのに対し、南部の計算はたった一人だけ、にもかかわらず、南部は朝永グループよりも先にラムシフトの値を導き出し、論文に纏め上げている。論文の投稿日は南部の方が1ケ月早い。

(つづく)



[15]地球の電気8
投稿者:澤田 正典
投稿日:2014-11-05 02:32:06

澤田正典です。会員番号2953です。今日は平成26年11月5日です。

つづき
 地殻電流は、地殻内部の地下水を電気分解します。

 地震は、地下水の電気分解で発生します。

 地下水が電気分解されると、帯水層の下側に水素が、上側に酸素が発生します。

 次第に電気分解が進むと、最後に重水が残ります。

 花崗岩の中にある天然ウランで重水素が核融合反応を起こすとき、電磁パルスが発生します。

 これを観測すると地震予報が可能です。

 電磁パルスは大気中にイオンを発生させます。

 宏観現象の原因にもなります。

 地震雲も作ります。

 ナマズも暴れます。

 電波のシンチレーションの原因にもなります。

 ヘリウムもできます。

 電気分解が最終段階を迎えると、発生した酸素ガス、水素ガスが電気抵抗となるので、地殻電流が縮小します。

 このとき、帯水層を中心にコンデンサが形成され、電荷が蓄積されます。

 すると等電位ポテンシャル面が沈み込みます。

 これは電離層にも影響が及ぶので、やはり電波のシンチレーションの原因になります。

 また、地電流の変化をはじめ、多くの地震電磁気学的現象の原因となります。

 このコンデンサの絶縁が破壊するとき、いっせいに常温核融合反応の臨界条件が整い、地震になります。

 地殻には、もともと圧力がかかっています。

 核爆発の初期段階においては、圧縮軸方向へ向かっては、爆圧は進行できません。

 もっとも圧力の弱い、圧縮軸の直角成分にだけ、爆圧が進行します。

 このとき爆心地は空隙になっています。

 それまで一軸圧縮の圧力を支えていた質量が爆心において消滅しています。

 圧縮軸成分においては爆心に向かって変位します。

 そのあとで、核爆発の成長に伴い、圧縮軸方向へも爆圧が進行します。

 結果として、地震に特徴的な「押し領域」、「引き領域」が形成されます。

 火山爆発も同じプロセスです。

 御嶽山のように。

 どうやれば自分の身を守れるのか、もう、わかりますね。

 かつてマグニチュード9ほどの威力のある核爆弾が存在しました。

 ツァーリ・ボンバーという、旧ソ連が実施した核実験で使われた3F爆弾です。

 重水素化リチウムの量を増やす、ウラン238の量を増やす、それだけで3F爆弾の威力を幾らでも上げらます。

 天然の重水がプレート境界や地殻内部や火山体にあれば、それを電磁パルス兵器で起爆できます。

 また、電離層にマイクロ波を照射すると、オーロラが電離層に当たったときと同様に、極超長波ELF波の周波数の電磁波が放射されます。

 この長い波長の電波は、地殻内部まで届きます。

 地殻内部に、もし地震の準備段階にあるコンデンサがあるとき、
ELF波は、このコンデンサに蓄積された電荷を振動させます。

 すると、コンデンサの両極に強い電圧がかかります。

 これがコンデンサの絶縁を破壊し、地震を発生させます。

 気象兵器は簡単な原理です。

 マイクロ波のビームを低仰角で放射すると、電離層で全反射して、地球全体にビームを伸ばせます。

 二方向から照射して、目的地でクロスさせることもできます。

 もともと、台風や低気圧、積乱雲のあるところでは電離層が下向きに飛び出ています。

 そこでマイクロ波は吸収され、成層圏の大気を電離させます。

 電磁レンジでプラズマを作る実験と同じです。

 これで電離層から対流圏に向けて正電荷(プラスイオン)を直接的に供給できます。

 狙ったところの大気電流や地殻電流を意図的に大きくできます。

 台風を巨大化させ、異常発達した積乱雲を生成できます。

 竜巻も作れます。

 移動もできます。

 停止もできます。

 地殻内部に電流を多く流すことで地下水の電気分解を促進し、地殻内部に重水の濃縮を促すこともできます。

 地球の中心は正電荷、そのまわりに負電荷。

 地殻電流 = 大気電流

 太陽風は地球の極域に正電荷と負電荷を吹き入れる。

 太陽風の正電荷は電離層へ、負電荷は電位差に従って、マントルから電離層のあいだの、どこかへ移動する。

 電気分解により水素が発生する。

 この水素が、酸化された有機物を還元して、炭化水素や炭素を作る。

 メタンハイドレート、石炭、石油の生成過程がわかります。

 解明してみれば、そんなに難しい仕組みではありませんでした。

 地球の仕組みを悪用して、罪亡き人を津波と地震と火山爆発と集中豪雨で殺し、脅迫して、金を奪いつくした。

 そんな人の魂には、消えない重い罪が残ります。

 覚悟しろ。

澤田正典 拝



[14]常温核融合とアポロの月面着陸について
投稿者:澤田 正典
投稿日:2014-10-19 19:59:07

 澤田正典です。会員番号2953です。今日は平成26年10月19日です。

 常温核融合に、イギリスの13歳の少年が成功して、重水素からヘリウムを作り、それまでの14歳の少年が持っていた史上最年少記録を塗り替えたとのニュースが今年の3月くらいにあったようです。

「史上最年少! 13歳の少年、核融合が可能な原子炉を作る(動画あり) : ギズモード・ジャパン:」
http://www.gizmodo.jp/2014/03/13_11.html

「史上最年少! 13歳の少年、核融合が可能な原子炉を作る(動画あり) - ライブドアニュース:」
http://news.livedoor.com/article/detail/8605651/

「13歳少年、核融合炉の作成に成功 - CNET Japan:」
http://japan.cnet.com/news/society/35044845/

 また、別の話題として、常温核融合のプロセスを用いた兵器関連の情報もユーチューブで得られます。

「常温核融合による小型核爆弾起爆テクノロジー - YouTube:」
 https://www.youtube.com/watch?v=l5LGLcrrkeU


 別件です。月面における放射線の大きさは、次のような計算手順で求められそうです。試算方法の一つとして。


計算手順1

静止軌道上における太陽風の観測データから得られた、太陽風の密度と速度

密度 1立方センチメートルのなかに、おおむね5個以上。
速度 秒速400km前後以上。
   =秒速40,000,000cm以上


計算手順2

1秒間あたりの1平方センチメートルあたりの粒子数
40,000,000 × 5 = 200,000,000

1分間あたりの1平方センチメートルあたりの粒子数
200,000,000 × 60秒 = 12,000,000,000


計算手順3

ベータ線の1分間当たりカウント数(cpm)からシーベルト(Sv)への換算式(ただし地上で放射性物質が出すベータ線の場合)

(0.187μSv/h)/1000cpm
(0.187ナノSv/h)/cpm


計算手順4
静止軌道において太陽風によるベータ線被爆のシーベルト換算
0.187 × 12,000,000,000
= 2.244Sv/h

 太陽風の速度がベータ線の速度、威力となりますから、地表に静止している放射性物質がポツッと出すベータ線などと比べたら、太陽風のほうが、やっぱり威力は強そうだ。とすると、実際の被ばく線量は、下手すると即死レベルかと懸念します。

 ヴァンアレン帯から離れた静止軌道上において、太陽が静かな場合ですら、これくらいの数値が見積もられそうですので、1969年に、月面で、宇宙服を着て、月の探検をしたというお話は・・・

 澤田正典 拝



[13]地球の電気7
投稿者:澤田 正典
投稿日:2014-09-06 09:47:55

澤田正典です。会員番号2953です。今日は平成26年9月6日です。

つづき
 マグマについて説明します。マグマは高温高圧で水分を多く含む液体の岩石です。これは地殻内部において実に不思議な動き方をするので、火山学者たちが、そのメカニズムを解明するために四苦八苦しています。これを解明します。

 マグマは、高温であるうちは、電気抵抗が非常に低いです。これが重要な意味を持っています。そして、同じように電気をよく通す、地殻の層の下部に控えている、豊富な電子量を持つマントル層との間における、電気的な接続の有無によって、その動的活性が決まります。マグマの温度が下がって電気抵抗が大きくなったり、もしくはマントル層との間において、何らかの原因により電気的な断線が発生すると、そのマグマは動的活性を失います。

 地殻層最下部、つまりマントルとの境界面から、はるばると地殻表面付近まで浮上してきたマグマは、冷たい地殻に触れながら上昇してきますので、そのままでは温度が次第に低下して固まってしまいます。粘性が大きいですから、はるか彼方、地下60km以上もの深部にあるマントル層とのあいだで、対流によって熱交換しながらマグマに熱を連続供給することはできません。構造体内部における熱伝導は可能ですが、運搬できる熱量に限界があり、地殻に冷やされる速度と釣り合った部分で温度が平衡状態になります。この時点でマグマの動的活性も失われます。マグマがさらなる動的活性を獲得できるためには、別の方法で加熱されるメカニズムが求められます。

 マグマは、高温の状態かつ、マントル層との電気的な接続が維持されている条件下においては、電圧の加わった電線と同じ状態になっています。マグマと地殻との間に形成された境界面のことを火道と呼びますが、火道の周囲には、電離層から大気経由で供給されたプラスの電荷が集まります。この境界面からマグマの中に電流が流れることにより熱が作られて、マグマに熱量を与えます。(ニクロム線に電気を流して発熱させるメカニズムと同じです。電位差が大きいので、電流が少なめであったとしても、電力は大きくなります。)

 マグマは、地殻から冷却されながら強い圧力で抑えつけられていますから、熱量が追加供給されなければ動けないのです。

 地殻が、基本的には水平成分に積み重なった地層の集積になっていることと対照的に、マグマは鉛直成分の強い構造を持っており、多くの場合、マントル層との電気的な接続が成立しています。地殻内部には電気抵抗の小さい層が含まれており、こういった層と火道との交点において効率よく電流が流れることにより、地震を引き起こすような、極端な電荷の蓄積を回避できる場合があります。そのため、火山性地震が発生しない場合においても、マグマは動的活性を獲得できる場合があります。事実、表面上なんの前触れも無いにも関わらず、いきなりマグマが動いたかのような現象が発生している様子です。

 マグマの動的活性は、電離層から大気経由で供給されるプラスの電荷の量に比例します。(捉え方の問題ですから、マントル層からのマイナスの電荷、つまり電子の供給量に比例すると言い換えても、同じ意味です。ただ、電離層から大気を介して供給されたプラスの電荷の分だけしか、マグマの中の電子も移動できません。)

 火山活動も地震活動と共通したエネルギー供給のメカニズムを持っていますから、電波の伝播異常や電離層のモニタリングといった手法で、火道に供給された電荷等の電気的なエネルギーの積算量を求め、マグマに追加された熱量として換算できる可能性があります。そこから噴火予測までは、少し基礎研究が必要になりそうですが、熱量がわかれば、糸口は十分に掴めています。地殻変動の監視は、ここで役に立つと思います。なぜなら、どの程度の熱量が加わったときにマグマ溜りが体積変化を起こすのか、対応関係が掴めるからです。マグマ溜りの体積変化と噴火活動との時間的、規模的な関係は、火山ごとに経験的なパターンを観察する意味がありそうです。

 群発地震についても、同様のメカニズムに基づいた推理をする価値がありそうです。ただ、群発地震の場合、要因となる物質が複数あるようです。マグマなのか、水なのか、別要因なのか、ケースごとの分析が求められます。

 プレート境界型の大地震が発生すると、そのプレート境界周辺の火山の活動が活発になる傾向があるといわれています。これは、地震を起こした絶縁体の周囲に集められていたプラスの電荷の一部が、その周囲にある火道へと移動して、マグマの加熱に用いられることによります。火道がある場合、水平方向にも電場が存在するので、電荷も水平方向に移動できることになります。プレート境界型の地震に限らず、火山活動と地震活動は、同領域において同時に活発化しやすいことが知られています。

 海底火山や火山島の場合、陸上にある火山とは少し、電気的な環境が異なります。海水が良導体で電気をよく通すため、周辺海域のかなり広い範囲を対象として、大気から受け取ったプラスの電荷を吸収できるようです。ハワイ島の火山が、そのパターンです。四六時中、マグマが溢れ出ています。もちろん、マントル対流の効果も加わっているのでしょう。
 (小笠原諸島の西方にある、西ノ島という火山島において、昨年から大量のマグマの流出が続いております。この火道によって、周辺海域の電気的なエネルギーを吸収している可能性があります。)

 火山が噴火すると、火山雷といって、噴煙の中で活発な放電現象が見られることがあります。これはマグマが電子を大気中に放出するためです。電離層と火口との間で、大気を介した電流が流れます。どちらも電極のようなものです。

 雷に関して言えば、私たちが普段経験する夏の積乱雲による雷や、北陸地方における秋から冬に見られる雷も、意味は同じです。赤道付近の、熱帯地方における雷も、同じです。地殻や海面から放出された電子を、大気を介して電離層へと届けているのです。例外として、移動性の積乱雲の中に蓄積された大量の電子の、ほんの一部だけが、地面との距離の短さと、大きな電位差によって、落雷として地殻表面に逆流する場合があります。

 電子は、必ず、地殻から電離層へと移動します。電子は、電離層から地殻へ向かっては、動きません。そのような電場は存在しません。大気の成層圏においてみられる、スプライト等の放電現象では、対流圏の最上面である圏界面から電離層へ向けて電子が移動しています。
つづく

 澤田正典 拝



[12]地球の電気6
投稿者:澤田 正典
投稿日:2014-09-04 07:54:37

澤田正典です。会員番号2953です。今日は平成26年9月4日です。

つづき
 地殻深部にプラスの電荷が蓄積されていくと、その地点における地上側において少しずつ電子量が減少していきます。等電位ポテンシャル面が沈み込んでいくためです。この沈み込みにしたがって大気中においてはプラスの電荷の存在比率が次第に大きくなっていきます。これをモニタリングすると地震予知が可能です。

 大阪市立大学名誉教授の弘原海 清氏は、この方法で地震予知に成功されました。

 大気中のプラスの電荷の存在比率が次第に大きくなるにつれて大気中の電子量が減少するため、この領域だけ電波の減衰率が低下します。これをモニタリングすると地震予知が可能です。

 北海道大学地震火山研究観測センターの森谷武男氏は、この方法で地震予知を実現されました。

 等電位ポテンシャル面の凹みは電離層にも影響を与えます。電離層はプラズマで構成されるので長周期の電波であれば鏡のように反射します。この電離層も、等電位ポテンシャル面の凹みに従って、下向きに凹みます。このことが原因となって、VLF帯の電波の伝播時間の短縮といった伝播異常が発生します。この異常をモニタリングすれば、地下の電荷の分布がわかりますから地震予知はできます。

 電気通信大学名誉教授の早川正士氏は、この方法で地震予知を実現されています。

 地下に潜んでいる、極めて電気抵抗の大きな層における電荷の蓄積が進んでいくと、その境界面には次第に大きな電圧が加わっていきます。やがて、少しずつ絶縁が破れてわずかずつ電流が流れ始めます。これは放電現象ですので、非常に広帯域の電波ノイズを放出します。電界の変動ノイズですから、周囲に伝播していくことになります。電離層にも影響して上空にある電波の鏡面が震動します。すると、ここに当たった電波の帯域が拡がるという現象を起こします。これを観測する方法でも、地震予知はできます。

 八ヶ岳南麓天文台台長の串田嘉男氏は、この方法で地震予報を実現されています。

 等電位ポテンシャル面の凹みが大きくなると、水平方向の成分において大きな地電位の変化が起きます。これを捉えるのがVAN法という地震予知方法です。ギリシャでは高い成功率を誇る地震予知方法です。

 理化学研究所の上田誠也氏が取り組まれた手法です。

 電離層が下に凹むとき、その部分の電離層内部における電子量に変化が生じます。凹んだ部分に流れ込むように、電離層上部にある電子が集まってきます。これを捉えることでも地震予知が可能になる可能性があります。

 北海道大学の日置教授による研究があります。
 GNSS連続観測点等の観測データなどを用いても、電離層の電子量をモニタリングできます。

 実際には、もっと沢山の、官民の研究者たちが地震予知を実現なされている様子です。また、NPO法人の日本地震予知協会の佐々木洋治氏による佐々木理論がすばらしい。もちろん、他にも大気電気学等広い学問分野において、大勢の優秀な研究者たちが沢山おられます。たとえば上下成分の地電位の変化を観測した研究者などがおられました。とても大切な研究だった。

 大気中の電荷密度の変化は、生命体の体内に含まれる電子量の変化にも繋がります。生命体の体内における情報伝達は電気的に行われているでしょうから、電子量が減ると生命活動において緊張感が漂うはずです。当然、宏観現象として多くの生命体の行動の異常が確認されることになります。
 従って、宏観現象に基づいた地震予知研究も当然、正しいと思われます。

 ・・・地震雲の発生メカニズムについては、のちほど解明を試みます。
つづく

 澤田正典 拝



[11]地球の電気5
投稿者:澤田 正典
投稿日:2014-09-03 20:56:12

澤田正典です。会員番号2953です。今日は平成26年9月3日です。

つづき
 地震のメカニズムを把握する上で、地殻内部における電気の流れ方が重要になります。地殻は半導体です。電気抵抗が大きいので、大きな電圧がかからないと電荷が移動できません。

 最初に述べたとおり、地球の中心は強力なプラスの電荷を持っており、その周辺には電子が高密度に集まっているとの仮説に立てば、地殻は下側に強力なマイナスの電荷を抱えていることになります。そして大気上空には電離層が強力なプラスの電荷を持っています。対流圏の内部も、プラスの電荷のイオンが優位的になっています。

 つまり、地殻には上下方向に強い電場が加わっていると考えられます。この力により、地殻内部においては電気抵抗が大きいながらも、上下方向においては、一方向限定とはいえ、やすやすと電荷が移動できる仕組みになっています。対して、水平方向には電場が掛かっていませんのでほとんど移動できません。

 大気中を漂うプラスの電荷が地表に到達したとき、地殻表面から電子を奪っていきます。電子を奪われた地殻表面は、電圧を受けていますから、奪われた分だけ地殻内部から電子を引き出します。この電子の動きは地殻深部へ向けて連鎖していき、やがて、地下に潜んでいる、極めて電気抵抗の大きな層に到着します。この層の地表側において、プラスの電荷は捉えられて蓄電されていきます。

 プラスの電荷が地下へ移行するといっても、たとえば何らかの物質が地下にもぐりこんでいくわけではありません。大気中を漂っていた、プラスの電荷を持つイオンが、地殻表面の電子を引き抜いた分だけ、地殻内部に電子密度の低下した領域が発生し、時間と共にその領域が地下深部へと移行していくことを意味します。
つづく

 澤田正典 拝



[10]地球の電気4
投稿者:澤田 正典
投稿日:2014-08-31 23:17:31

澤田正典です。会員番号2953です。今日は平成26年8月31日です。

つづき
 地球では電気の流れ方において、いくつかの方式があります。

 まず、導体の中を電子が移動する方式があります。海水や電離層においては導体と同様に、電子の運搬は速やかに進行します。

 次に、半導体の中を電子が移動する方式があります。導体ほどには電気抵抗は小さくないが、絶縁体とは異なり強い電圧が加われば電子が移動します。地殻は、場所によって電気抵抗の異なる部分が層をなしている、半導体の集合として構成されています。電気抵抗が大きくなるほど絶縁体(誘電体)の性質が強くなり、電荷を蓄えやすくなることで、地震の原因となる場合があります。断層やプレート境界は絶縁体(誘電体)になっていると想像されます。

 また、絶縁体(誘電体)の中でも電子が移動する方式があります。これは静電気として大容量のマイナスの電荷を蓄えた微粒子が集団で移動することで行われます。大気中におけるマイナスの電荷の移動は、主にこの方式で行われています。(ちなみに、地上付近の雲は地面から湧き出したマイナスの電荷の流れによって生成されるため、常にマイナス側に帯電しています。雲は、地殻との間に働く電気的な斥力によっても浮力を得ています。実際、雲の底面は、まるで見えない境界面があるかのように平らになることが多くあります。)
 なお、太陽風によってプラスの電荷が地球に過剰供給された場合も、この方式でプラスの電荷が電離層下部において拡散していきます。

 絶縁体(誘電体)においては、雷や地震といった、大電圧による絶縁破壊によって電子が移動する場合もあります。この場合、蓄えられた電荷のエネルギーが劇的に解放されることで大音響や強い振動も伴います。

 ・・・実は、もう一つだけ、絶縁体(誘電体)においては、電子の移動手段がありそうです。
つづく

 澤田正典 拝



[9]地球の電気3
投稿者:澤田 正典
投稿日:2014-08-31 08:20:03

澤田正典です。会員番号2953です。今日は平成26年8月31日です。

つづき
 次に、マイナスの電荷に偏った高速の太陽風プラズマが地球にやってくると、やはりオーロラを作りながら荷電粒子は速度を落とします。マイナスの電荷の正体は電子なので地球大気を構成する微粒子に出会うとその表面に付着して静電気となり、大気深部も含めて拡散していきます。このとき、もし地球内部がそれ以前にプラスの電荷の過剰供給を受けていて、大気や地殻内部の電荷分布が全体的にプラス側に傾いていた場合には、電気的な平衡状態へと移行する目的で、このマイナスの電荷を大気や地殻内部が受け取ります。

 太陽風の形で地球外部からプラスの電荷を偏って与えられたときは、プラスの電荷は大気から受ける浮力と電気的絶縁に遮られるために、電離層下部において広範囲に分散された後で、時間をかけて大気深部から地殻内部へと移動していきます。ところが、マイナスの電荷を偏って与えられたときは、マイナスの電荷は、かなり集中的に北極や南極といった極域において地殻内部へ移動していく特徴があります。結果的に極域では、全体的に見ると電気を一方向に流しやすくなっているので、ダイオードのような働きを示します。

 極域から地殻に入り込んだマイナスの電荷は、地殻内部で分散されながら、次の電気的な平衡状態へ向けて移動していきます。地殻内部において絶縁体(誘電体)となっている部分にはプラスの電荷が蓄積されている場合が多いので、特にそういった箇所に多く集まり、次第に電荷を蓄積していきます。ここでは、コンデンサのような働きを示します。

 このように、太陽風から地球に与えられる電荷の、その時々におけるプラス側、もしくはマイナス側への偏りが不連続かつ非定期的に行われることによって、そのたびに地球では大気や地殻内部に抱える無数の電気的な境界面(電気抵抗の疎密が面的な分布を示すところ)において電荷分布の平衡化を行う必要に迫られます。

 これが、地学的な領域における電気エネルギーの流れであるとイメージされます。
つづく

 澤田正典 拝



[8]地球の電気2
投稿者:澤田 正典
投稿日:2014-08-30 21:44:53

澤田正典です。会員番号2953です。今日は平成26年8月30日です。

つづき
 この平衡状態は外部から破られる場合があります。太陽風は、水素原子と電子がバラバラのプラズマ状態で、高速の微粒子の集合として地球にやってきます。太陽風では内部において粒子密度に疎密があることはもちろんですが、電荷分布も疎密を持ちます。太陽風を構成する巨大な高速粒子の集合体のサイズに対して、地球の大きさは微々たるものですから、太陽風のうち地球に衝突した部分においては、構成粒子の電荷がプラスもしくはマイナスのどちらかに偏っていることが普通だと思います。(実際、太陽風の磁場の向きは北向き、もしくは南向きに偏ることが多いのですが、これは太陽風の高速プラズマ構成粒子の電気的な偏りの実在を示していると思います。)これにより地球の電気的な平衡状態が崩れます。地球は、偏って侵入してきた電荷を平衡状態に至るまで地球全域に分散させる必要に迫られます。

 プラスの電荷に偏った高速の太陽風プラズマが地球にやってくると、まず北極と南極の上空の地球大気に衝突して、電離層においてオーロラを作ります。そして運動エネルギーを電磁波と熱のエネルギーに変換しながら、速度を落とし、電離層の一部になります。プラスの電荷の正体は、基本的に電子を失った水素原子なので非常に軽いため、粒子としてはこれ以上大気の奥まで進入できません。これにより電離層は全体として電荷がプラスに偏り、電離層の下面に集まります。(※ここでの電荷の移動は、荷電粒子自体の移動として行われます。電気回路において導体中を電子が移動するときの電流のイメージとは少し異なります。それよりも、静電気の移動と考えたほうがよく、帯電させたプラスチックの板やウールのセーターを手に持って移動するようなイメージのほうが近いです。これも電荷の移動そのものですから電流となり磁場を発生させます。)

 地殻表面では、上空の電離層にプラスの電荷が強くなったことを受けて、大気電場の強度が上昇します。そして地面や海面からマイナスの電荷が電離層へ向けて上空へと引き寄せられます。このようにして、プラスの電荷は平衡状態へと向かう過程において必要な範囲で、電離層から地殻内部や海中に移動していきます。地殻内部には部分的に、電気を流しにくい絶縁体(誘電体)の性質の強い領域があるので、プラスの電荷の一部はそういった境界面に蓄積されます。なお、海水は地殻よりも電気抵抗がずっと小さいので完全に導体の扱いとなり、海底まですみやかにプラスの電荷が移動したあとで、そこから地殻内部にプラスの電荷が移されていきます。

 このように、地球に過剰に加わったプラスの電荷は電離層から成層圏、対流圏、地殻へと地球全体に拡散されながら、全体として地球は次の電気的な平衡状態へと移行していきます。
つづく

 澤田正典 拝






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